阪神・岡田監督は才木で落としても、零封負けも悲観なし…「今までの『0』とはちょっと違うよな」 打撃陣に兆し感じた
(セ・リーグ、阪神0-1中日、10回戦、阪神6勝3敗1分、25日、倉敷) 痛い! でも夜明けは近い…!? 阪神は中日に0-1で敗戦。8連勝中だった才木浩人投手(25)を先発させたゲームを痛恨の今季10度目零封負けで落としたが、岡田彰布監督(66)は「今までの『0』とはちょっと違うよな」と悲観しなかった。2連敗で首位広島とは3ゲーム差。それでも打撃練習でもゲームでも捉えた良い打球は多かったと、虎将は兆しを感じ取った。 【写真】一緒にラーメンを食べる阪神・才木浩人と大竹耕太郎 3万417人が詰めかけた倉敷に、見慣れたゼロとため息が充満した。重い足取りでチームバスへ引き揚げるナインに、今度は岡田監督がどんな厳しい言葉を浴びせるのか-。会見場の空気はピンと張り詰めたが、虎将の口から出てきたのは真逆の〝評価〟だった。 「今までの『0』とはちょっと違うよな」 両リーグトップ8勝を挙げてきた今季のエース格、才木を先発ローテーションの再編で日曜から週頭・火曜の登板に動かした。25歳の右腕は期待通りにゼロを並べたが、打線が今季10度目の零封負けで見殺しにした。痛恨の一戦に違いなかったが、それでも将は誰も責めなかった。むしろ、この先どうにか攻められる糸口を見つけたかのようだった。「いやいや、きょうはアレや、内容的には最近ではまだ良かったよ」とうなずいた。 0-0の四回には先頭の森下が右前打で出塁したが、続く大山が痛い遊ゴロ併殺打に終わった。この凡打も「うん。まあな、あんまそんなな、悪い打球じゃなかったけどな、大山のもな」と受け止めた。大山はこの日2併殺。この四回は3安打を集めても1点も奪えなかったが、結果だけを見てこき下ろすことはしなかった。 前日に見せていた厳しさからも一変した。試合前練習から打撃投手のボールに差し込まれ、まともに捉えられない野手陣に対し、岡山への移動日となった24日には「ピーピー笛吹いてるけど、うちの打球はみんな反対方向の内野席の打球やないか」と独特の言い回しで苦言を呈していた。球場スタッフが警告音を鳴らさなくてはならないような、内野スタンドへのファウルばかり打つなという意味だったが、この日の練習について問われると「良かった。久しぶりになぁ」と改善が見られたことを明かした。 先発の小笠原にスイスイと7回を投げられ、2番手の松山にも三者凡退で封じられた。それでも1点を追う九回には、竜の守護神マルティネスを2死一、二塁と追い詰めた。苦しんできた佐藤輝が、九回の安打などで出場3試合ぶりにマルチ安打をマークしたことは、たしかに今後へ向けた明るい材料だ。佐藤輝自身も「なんとか塁に出たいところで出られたので、それはよかった」と振り返った。