企業が集まる合同説明会、何を聞けばいい? 就活で「興味のない業界も見た方がいい」理由
「社会の構造、つながりを知る」大切さ
自分のキャリアを考えるうえで、こういった大型イベントでぜひ知ってほしいことは2点ある、と歌津さんは言います。 ひとつは、「社会人を知る」ことです。 イベントには若手からベテランまで様々な職種、年齢層の社会人があつまります。 「仕事のなかで具体的にどんなことに喜び、やりがいを感じるか。企業で活躍する人材とはどういう人なのか、直接話を聞くことで自分の理想とする、なりたい社会人像が見えてくるかもしれません。また、たくさんの社会人と出会いを重ねることは、就活にとって大切な「自信」をつけることにもつながります」 もうひとつは「社会の構造、つながりを知ること」です。 消費者のところに商品やサービスが届くまでには、原料から小売店まで「川上から川下」と表現されるように多種多様な企業がつながっています。 どんな企業でもITやソフトウェアの力は欠かせませんし、ひとつの企業のなかでも営業や企画、開発、製造、SE、人事、総務、経理などさまざまな職種があります。 「たくさんの業界や職種があつまるこういったイベントを通して、各企業や業界、職種がどんなポジションでどのようにつながっているかを知り、社会全体を俯瞰できるイメージを養ってほしいです」 といっても、いきなり社会のつながりを全部知ろうとするのは大変です。 まずは企業をみるときに、「この企業はお客様からどんなところで、どのように感謝をされているのか」に注目すると、企業への理解が深まると歌津さんは言います。 一般消費者相手の企業、いわゆるB to C企業なら分かりやすいですが、大半の企業は法人相手の企業、いわゆるB to B企業です。 原料を製造して提供しているのか、卸売しているのか、あるいはソフトウェアを開発して提供しているのか、どういう価値を提供して顧客に喜んでもらっているかを判断すると会社の姿が見えてきます。 「お客様にどう感謝してもらうかが、その企業の社会的な存在意義なのです。その存在意義に自分が共感できるか、やりがいを感じられるかが、自分の価値観や判断軸のひとつになっていくと思います」 仕事は、大変なこともたくさんあります。 歌津さんは「自分が選んだ仕事の意義を思い返すことは、心を奮い立たせてくれるよりどころにもなります。仕事を選ぶうえで、意義への共感は欠かせない条件だと思っています」と話します。