投球で「パワーを引き出す」重要動作とは? 低学年から推奨の“骨盤安定”メニュー
骨盤周りが弱く、ボディバランスが崩れている子どもが多い傾向
笹野さんは、もともとはインターハイ個人2位に輝いた実績を持つ馬術選手。各ジャンルで活躍するプロアスリートのパーソナルトレーナーとしての経験も豊富で、現代の子どもたちの運動能力についてこう語る。 「オーバーヘッドスクワットのスタート姿勢でもある『パワーポジション』は、体の動きにおいて大切なものです。次の動作に移行しやすい、あるいは力が出やすい、つまりは全身にエネルギーを届けられるポジションのこと。骨盤周り、股関節周りの使い方が特にポイントで、野球での投げる、打つという動きにおいても重要になります。ただ、はじめは、その基本姿勢すら作れない子どもが多いですね」 感覚的にできない、あるいは筋力が追いつかずにできないと、理由はそれぞれあるが、骨盤周りが弱く、ボディバランスが崩れている子どもが多いのは1つの傾向だ。また、体の動き自体に「スピードがない」子が多いのも最近の特徴だという。 たとえ小学校低学年であっても、正しい体の動かし方を学ぶことや、適切な重量でのフィジカルトレーニングは、将来の技術向上に役立つ。子どもたちの基礎体力と運動能力は低下の一途を辿っていると言われる今だからこそ、早い段階で「未来」につながるトレーニングを知り、実践していきたい。
佐々木亨 / Toru Sasaki