ウォール街CEO、米経済の強さを称賛-大統領選は主要リスクと強調
(ブルームバーグ): サウジアラビアで今週開催される「フューチャー・インベストメント・イニシアティブ(FII)」年次会合に出席するためにリヤド入りした金融界の大物らは、米経済見通しについてはおおむね楽観的だが、欧州の成長が相対的に低迷していることに懸念を示した。
シティグループのジェーン・フレーザー氏、ブラックロックのラリー・フィンク氏、ゴールドマン・サックス・グループのデービッド・ソロモン氏ら各最高経営責任者(CEO)などのバンカーや金融関係者は、FIIに参加する常連となっている。
「米経済はかなり好調で、非常に強靭(きょうじん)だ」とゴールドマンのソロモン氏は発言。米国については「ソフトランディング」が自身の基本シナリオだと付け加えた。米リセッション(景気後退)懸念がFII参加者の主要な関心事だった新型コロナウイルス禍後の数年間と比べると、大きな変化だ。
国際通貨基金(IMF)は先週公表した最新の世界経済見通し(WEO)で、今年の米経済成長率予想を2.8%に上方修正。ユーロ圏の成長率は0.8%、英国は1.1%と予測した。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は先月、0.5ポイントの利下げを決定。米労働市場の回復を目指した政策シフトで積極的なスタートを切った。
リヤドに集まった企業経営者の多くは、市場の米利下げ観測について行き過ぎている可能性があると示唆した。ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、スタンダードチャータード、カーライル、アポロ・グローバル・マネジメント、ステート・ストリートなどの企業トップが参加したパネル討論で、年内さらに2回の利下げがあると思うかとの質問に対し、手を挙げた人は誰もいなかった。年末までにもう1回利下げがあるかもしれないとの意見には、大半が同意した。
「世界中の中央銀行を評価するべきだと思う。特に米金融当局は多くの評価に値する」とカーライル・グループのハービー・シュワルツCEOは指摘。「500ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)もの引き上げが実施されるとは誰も予想していなかった。今はいくらか引き下げられている」と述べた。