いま俺が最も注目している男は巨人・坂本勇人だ。“セ界”最強遊撃手の復活が常勝気運へと導く!【堀内恒夫の悪太郎の遺言状】
長嶋さんと王さんも30台半ばから打者として円熟味を増していった
坂本の復活が巨人のV奪回の大きなカギとなるのは言うまでもない
2023年のプロ野球で、俺が最も注目している男は、巨人の坂本勇人だ。今季プロ17年目を迎え、12月14日には35歳の誕生日を迎える。かつては「若大将」などと持てはやされたが、年齢的にはもうベテランの域に到達しているからね。 昨季は開幕前に左脇腹を痛めて、プロ2年目から14年間続いていた開幕戦の先発出場記録が途絶えている。しかし、開幕3戦目からスタメン復帰して、4打数4安打と猛打を爆発させたことは記憶に新しい。 誰もが「今季も坂本勇人健在!」と喜んだのも束の間、4月30日の阪神戦(東京ドーム)での右膝じん帯損傷により、再び戦線離脱してしまった。 昨季は、ショートの定位置を獲得したプロ2年目以降では最も少ない83試合の出場に終わり、本塁打5、打率.286という不本意な成績に終わっている。19年に巨人の生え抜き右バッターでは長嶋茂雄さんの39本を抜く史上最多の40本塁打をマークしたことを思えば、まるで別人のような低迷ぶりだった。 坂本は下降線を辿ったまま野球人生を終えてしまうのか。いや、復活してまた一花咲かせてもらわなくては困ると、俺は切に願っているんだけどね。そうでなければ、昨季5年ぶりのBクラスとなる4位に転落したチームのV奪回も、夢のまた夢に終わってしまうだろう。 今年の坂本はケガをすることなく無事にキャンプを終えた。このままいけば今季は期待が持てそうだと、秘かに俺は思っていた。 ところが、開幕が近づいても、バッティングの状態が上がってこなかったからね。とにかく選球眼が悪くてボール球に手を出していた。好調時の坂本ならどんなボールでも打てる。しかし・・・
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週刊ベースボール