「レッドブルは判断を迫られている」アメリカGPも不発のペレス ローソンの台頭でシート“剥奪”が加速
チャンピオンチームのシート争いが混迷を極めることとなった。 現地時間10月20日、F1第19戦アメリカGP決勝がサーキット・オブ・ジ・アメリカズを舞台に行われ、22歳のホープが脚光を浴びた。このレースより、角田裕毅が所属するRBの一員となったリアム・ローソンが最後尾(19位)スタートながらも、9位フィニッシュを果たした。これによりローソンが、トップチームにあたるレッドブルのレギュラードライバー有力候補として位置づけられ、その一方で、ベテランのセルジオ・ペレスの立場がこれまで以上に危ういものとなったと、欧州メディアが報じている。 イギリス紙『Daily Express』は10月21日、公式サイト上においてアメリカGPでのローソン、ペレス、それぞれのパフォーマンスを振り返るトピックを配信した。 同メディアは、このGPで1年ぶりにF1復帰となったローソンについて、予選やスプリントでの走りも上々だったと評しながら、「しかし、真の印象を残したのは日曜日のグランプリだった」と指摘。続けて「新しいパーツ使用によりグリッドペナルティを受け最後列からスタートしたローソンは、効率的に順位を上げていき、ユウキ・ツノダやセルジオ・ペレスを凌駕する走りを見せた。チェッカーフラッグが振られる時には、ローソンは9位まで順位を上げていた」と絶賛している。 そして、より上位でのフィニッシュが期待されていたペレスについては、「メキシコ人ドライバーであるペレスは9番グリッドからスタートしたが、ほとんど順位を上げられず最終的に7位でレースを終えた」と振り返るとともに、以下の様にレース内容への見解を記している。 「さらに屈辱的だったのは、6度のグランプリウィナーであるペレスが、ピットレーンからスタートしたジョージ・ラッセルの後ろでフィニッシュしたことだ。ラッセルは、ターン12でバルテリ・ボッタスを押し出したために5秒のタイムペナルティも課されていた」 同メディアは今回の両者の結果を踏まえ、「ペレスの苦戦を考慮すると、クリスチャン・ホーナーの判断をより容易にするものだった」などと主張。他にも、「レッドブルはアメリカGPの失望を受け、セルジオ・ペレスについて決断を迫られている」とも綴っている。その中で強調されている、「判断」や「決断」が、アメリカGP以前から囁かれてきたペレスのシート“剥奪”を指していることは明らかだ。 鮮烈な走りを見せたローソンには次回以降のGPでも引き続き、大きな期待が寄せられるだろう。そして、現時点でトップチームのステアリングを握るペレスは残り5戦、今後の進退を懸けたレースを戦うことになりそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]