ビットコインETF、上場は迅速だが資金の流れに数カ月かかる可能性:21シェアーズ共同創設者
残る不確実性
スナイダー氏は、暗号資産業界には他にも不確実性があり、今後より厳しい監視にさらされることになるだろうと述べた。承認は暗号資産全般に対するSECの疑念を相殺するものではないということだ。 スナイダー氏は、「SECがビットコインに関して何をしようとしているのかは依然として重要だが、人々はそれをまったく理解していない」とし、「金融会社のマネージャーらは、自身の評判とキャリアを賭けて投資を行っている。彼らがビットコイン投資を行ったのに、SECが違法だと判断すれば問題になるだろう」と指摘した。 SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は、詐欺や倒産の多さに言及し、何度か暗号資産業界に対する懸念を表明してきた。業界の一部を「未開の西部」と呼んだこともある。
グレイスケールからの流出が発生するか?
今回の承認により、現物ETFを提供する企業は競合他社との差別化を図ろうとしている。特に手数料だ。初期の手数料は主に純資産の0.24%から0.90%の範囲。最初の発表が行われてから最安値を狙う競争が起き、9日と10日に引き下げを行う企業が続出した。 突出しているのはグレイスケール(Grayscale)。グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)をETFに転換し、1.5%の手数料を課す予定だ。グレイスケールの手数料は高いが、他の投資会社に対する規模の利益を利用して手数料の高さの相殺を狙っているのかもしれない。グレイスケールは現物ETFの承認前からすでに270億ドルを超える資産を管理しており、実質的にゼロからスタートする競合他社よりも大きな取引高と流動性を提供できる。 スナイダー氏は、「その価格設定では多くの流入が見られるとは思わないが、彼らの価格設定戦略はおそらく、追求しているのはそれではないことを示しているだろう」とコメント。グレイスケールがGBTCの既存の投資家プールを保持していることに主に依拠している可能性があると指摘した。 グレイスケールからより安価なファンドへの大幅な資金流出が発生するかどうかは、投資家の動機、つまり長期的にファンドを購入したか、現在含み益か含み損かなどに依存する可能性がある。 スナイダー氏は、「すぐに大規模な流出が起こるとは思わないが、時間の経過とともにそのような事態が起こるかもしれないと思う」とし、「すべてのことでそうだが、プロセスになる途上であり、これらのことがどのように変化するかを見るには時間がかかるだろう」と指摘した。 |翻訳・編集:林理南|画像:オフィリア・スナイダー氏(右)と共同創設者のハニー・ラシュワン氏(21Share)|原文:Bitcoin ETF Listings Will Be Quick but Money Flows Could Take Months: 21Shares Co-Founder
CoinDesk Japan 編集部