「Microsoft Word」と「一太郎」、ワープロとして結局どっちの方が使いやすい?
「ATOK」の優れた点は、「ATOK専門用語変換辞書シリーズ」が搭載されており、正確に変換してくれる点。たとえば2022年には公用文のルール変更があり、読点が「,(コンマ)」から「、」に統一されましたが、つい癖で「,(コンマ)」を使ってしまっても、ATOKは訂正してくれます。 ATOKは上手に使いこなすと、使用者の入力の癖などを学習し、極めて効率的で高品質な変換が可能に。加えて先にも述べた通り、公用文ルールへの対応や対応辞書の豊富さも魅力的です。一方で、ATOKを使いこなすには各種設定も重要。闇雲にATOKを使うと誤変換をそのまま学習し、誤変換に基づいて変換され続けるといったこともあります。 よって「ATOKに慣れている方」や「今後、ATOKを使いこなしたい方」にとっては、ワープロソフトは「一太郎一択」と言っても過言ではありません。 余談ですがATOKは、キングジムのデジタルメモ「ポメラ」にも搭載されています。ワープロソフトを日常的に使用する方の中には「ポメラユーザー」の方もいるのでは? ポメラ愛好家の方にとっては、一太郎は手に馴染みやすいワープロソフトでもあるでしょう。
一方でATOKには独特の操作性や変換性能があることも事実です。そうした「独特の性能」に不便さをむしろ感じる方にとっては、MS-IMEとWordの組み合わせの方が無難かもしれません。 ■段組み・レイアウト 「一太郎」は「きまるスタイル」というテンプレートが用意されており、自分で段組みやレイアウトを考えなくても、簡単に出力したいものに合わせたレイアウトを設定することができます。
「きまるスタイル」では、用途に合わせたさまざまなレイアウトをクリックひとつで選ぶことができます。
余白や行間を自分で考えなくていいため、別で書いておいた文章を選んだスタイルにコピペするだけでOK。もちろん、ここから自分の好きにレイアウトを変更することもできます。 一太郎の段組みは極めて簡単であり、段組みやレイアウトの知識がない方が、テキストを中心とした印刷物のレイアウトなどを行うならば「一太郎」はおすすめのワープロソフトです。 なおWordでも同様のレイアウトは可能ですが、後述するようにルビや記号、特殊文字の取り扱いに癖があったり、Word特有の「行間設定バグ」による段組みのズレなどによって思うような仕上がりにならないケースがあります。 ■ルビ・記号・特殊文字の取り扱い