羽田事故の海保乗員、3管本部葬 幹部「優しさ、使命感ある5人」
羽田空港で日航と海上保安庁の航空機が衝突した事故から2カ月となった2日、第3管区海上保安本部(横浜)が死亡した海保機の乗員5人の3管本部葬を東京都内で開いた。幹部は5人の人柄を「優しさと使命感、責任感を併せ持つ保安官のかがみ」と振り返り、死を悼んだ。 会場では祭壇に副機長だった田原信幸さん=当時(41)=ら5人の遺影が掲げられ、遺族や海保職員ら約300人が黙とうをささげた。石井昌平海保長官は「能登半島地震の被災地に支援物資を運ぶ尊い任務で殉職した。多大な功績のある職員を失い、痛恨この上ない」と述べた。 5人が所属した3管羽田航空基地の林博之基地長は、通信士だった石田貴紀さん=同(27)=が英語力を生かした国際業務を希望し、探索レーダー士だった帯刀航さん=同(39)=が穏やかな人柄で若手に丁寧な指導をしていたことなど、それぞれの人柄や仕事ぶりを紹介。「このような事故を繰り返さないよう、全力を尽くす」と誓った。
5人の遺族の代理人弁護士は報道陣の取材に、「いまだに心の整理はつかないが、本日の公葬を経て少しずつ前に向かって歩み始めております」という遺族のメッセージを読み上げた。