1人だけ横向きに座るの!? トラックみたいに3人並び?? 「そうまでして3人乗りにする?」なスポーツカー3台!
国産初のスポーツカーには3人乗り仕様があった
普段からふたり乗りのクルマを使っていると、ごくたまに3人乗れたらよかったのにと思うことありませんか。増えた荷物ならばどうにかスペースを工夫することもできますが、3人目の座席となると話は別。ならば最初から4座や2+2にすればいいじゃないか、という声も聞こえてきそうですが「それじゃ夢がないんじゃ!」との少数意見も確実にあるのです。現に、3座というちょっと変わったレイアウトのクルマも存在し、個性的であるだけでなく、魅力的なスポーツカーであることが少なくないのです。 【写真】3人ってこう乗るのか! マクラーレンF1の車内とは
ダットサン・フェアレディ1500
1961年秋の東京モーターショーでデビューしたフェアレディ1500(SP310)こそ、国産初の量産スポーツカーでした。いうまでもなくフェアレディZのご先祖さまであり、また国内モータースポーツの黎明期を支え、国際レースにも果敢に挑んでいったレジェンドにほかなりません。 このオープン2シーターに見えるSP310ですが、3人目の座席が用意されていました。ご覧のとおり横向きのレイアウトであるため、居住性については??? となってしまうものの、経済成長真っ盛り産めよ増やせよてな時代ですから「あら、これなら赤ちゃんにピッタンコ」的な需要があったのかもしれません。 あるいは、国産初のスポーツカーというチャレンジに、わずかでも実用性を加えることで商品性を担保したい狙いでもあったかと。 座席として使う意外にも荷物スペースとして有効であることは間違いありませんからね。むろん、輸出モデルでもあったために、海外事情を汲んだ装備とも考えられるでしょう。 なお、1963年に鈴鹿で開催された国内スポーツカーレースでは、MG-BやトライアンフTR4といった当時の一流スポーツカーを抑えて堂々の優勝(1300-2500ccクラス)。これには3座目に座った赤ちゃんも喜んだことでしょう(笑)。
マクラーレンF1
3人乗りのスポーツカーといえば、マクラーレンF1がもっとも有名かもしれません。車名のとおりF1をイメージしたコクピット(アローヘッドなどと呼ばれたことも)ですから、ドライバーシートを中心にして、左右のシートはいくらか後ろに下がっているのが大きな特徴。すると、「センターシートはどちら側からでも乗り降りしづらいのでは?」よく聞かれるのですが、筆者の経験では大面積のディヘドラルドアのおかげでさほど苦労は感じませんでした。 なにしろ設計者のゴードン・マーレー(デザインはピーター・スティーブンス)は、マクラーレンF1は「普段使い」を強く意識した(!)とのことで、乗降性だけでなく左右スカットルにコンパートメントを設けるなど使い勝手も超一流といわざるを得ません。 とはいえ、後ろにオフセットされた助手席との会話にはいちいち振り向かなければならず、安全性の面からは「デートカーには不向き」とされてしまいそう(笑)。 なお、ゴードン・マーレーは自身の自動車ブランドGMA(ゴードン・マーレー・オートモーティブ)からもT50というF1そっくりさん的なモデルをリリースしており、案の定アローヘッドの3人乗り(笑)。よほど普段使いにこだわりがあるのかもしれません。