「GAFAMだから何でも売れる」は大間違い…この20年に生み出してきた「記憶から消したい失敗作」の数々
■グーグルグラスは「あの人は今?」状態 グーグルの新規分野参入能力は、ソーシャルネットワークには通用しないようだ。同社はオーカット、グーグルバズ、グーグル+をつくっては潰した。同社のパクリ版ツイッターであるジャイク、位置情報サービスのドッジボール、百科事典ノル、ゲームのグーグルライヴリーと最近のグーグルステイディア、ワークツールのグーグルウェーブ、メディアプレーヤーのネクサスQ、デジタルディスカウントブックレットのグーグルオファーも同じ運命に見舞われた。そしてあれほど話題になったグーグルグラスはいまや「あの人は今?」フォルダにぶちこまれている。 アップルは、スティーブ・ジョブズが復帰するまではほとんど消えかかった企業だったが、彼の配下ですら同社はいくつかヘマをしでかした。たとえばソーシャルネットワークのピング、ステレオスピーカーのiPodハイファイ、スマートスピーカーのホームポッドや、接続用のファイアワイヤー(確かにUSBよりも能力は高いが値段が高すぎる)などだ。 最も恥ずかしいのは、おそらくアップルの地図アプリ発表で、その第1世代はあまりにバグが多くて不完全だったため、CEOティム・クックが謝罪して、怒った利用者たちに競合製品を使うよう推奨しなければならなかったことだろう。 ■成功する企業は新しい実験を絶えず行う これらを含め、確立した企業がやらかしてきた実に多数の失敗については、何もおかしなことはない。失敗とはもっと賢い方法でやり直す手法であり、新しい教訓を学べるのだ。最も成功する企業は絶えず新しい実験を開始して、何がうまくいき何がダメかを理解しようとする。 そしてそれが重要なのだ。新製品や新サービスで成功するのは、その企業が大きいからではない――マーケティングに何百万ドルかけても、ちょっとダメな製品を発表したら、全方位的にバカにされる。 反対に、彼らがここまで大きくなったのは他の代替物よりも優れた製品やサービスをたくさん出して感謝されたからだ。マイスペースと比べて、フェイスブックは高速で広告も少なく、絶えず利用者たちのニーズに適応し続けた。グーグルがサービスを開始したとき、既存の3大検索エンジンは当の「ヤフー」や「アルタビスタ」を検索してもそれが自分の検索に引っかからなかった。