ゴールドマンのソロモンCEO、今年の米利下げ「ゼロ」と予想
(ブルームバーグ): ゴールドマン・サックス・グループのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は政府支出により米経済の回復力が高まっていることから、米金融当局が今年利下げを行うことはないとの見方を示した。
ソロモン氏はボストンカレッジ主催のイベントで、「利下げをせざるを得ないという説得力のあるデータはまだ見当たらない」とし、現在のところ利下げは 「ゼロ」と予想していると述べた。人工知能(AI)インフラへの投資も、金融引き締めに対する経済の回復力を高めるのに寄与していると指摘した。
同氏はそれでも消費者は物価上昇で家計への圧迫を感じ始めているとし、消費者が支出を抑制し始めている証拠としてマクドナルドやオートゾーンの最近の決算を挙げた。
同氏は「米経済の中心と呼ぶべきものに対処している企業を経営するCEOらと話せば、こうした企業が消費者行動の変化を感じ始めていることが分かる」とし、「インフレは名目的だけでなく累積的なものであり、全てがより高くなっている。消費者、すなわち平均的な米国民がそれを感じ始めている」と説明した。
その上で、この消費者行動の変化は半年前と比べ、「現実的で明白」な景気鈍化のリスクを高めていると指摘した。また地政学的な脆弱(ぜいじゃく)性を挙げ、これとは長く付き合っていかなければならないだろうと語った。
今月初め、ソロモン氏は米経済について「かなり順調に推移している」と述べたが、3月には市場の予想よりもしつこいインフレ持続の可能性を警告していた。
ゴールドマンのエコノミストチームは4月、今年の利下げは7月と11月の2回のみになるとの見通しを示している。
原題:Goldman’s Solomon Says He Sees ‘Zero’ Rate Cuts This Year (2)(抜粋)
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Brooke Sutherland