稽古総見、照ノ富士に熱視線 八角理事長「戻りつつある」山内横審委員長「大の里が後継」
大相撲初場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けた横綱審議委員会(横審)による稽古総見が6日、両国国技館の相撲教習所で行われ、2場所連続で休場中の横綱照ノ富士は、大関大の里と三番稽古を行い、連続7番取って3勝4敗と負け越した。それでも見守った日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)、横審の山内昌之委員長(東大名誉教授)はそろって、稽古内容や稽古場での姿勢などを評価。終始、熱視線を送っていた。 八角理事長は「戻りつつあるという感じ。もう少し時間がほしい。10回優勝しているだけあって、やっぱりうまい。左の使い方が。重さが出てきている。あとは番数。番数を場所前にできるかどうか。最後(千秋楽)まで土俵に立っていたら、大関にはプレッシャーになるだろう。もうちょっとだよね」と語った。今後の調整次第で十分、優勝争いに絡む力を発揮できる見通しだと評した。 山内委員長は「思った以上に回復していると思いました。いろんな若手力士や大の里にもアドバイスしていた。彼の横綱としての自覚。私はいつも、そこを厳しく見ている」と、土俵内外を問わずに評価した。特に照ノ富士が稽古中、大の里にアドバイスを送る場面に注目。「照ノ富士は、大の里を後継者として意識していたと、私は感じました。最終的に、後を託すのは大の里だと考えているんじゃないかと思いました。大の里とやっている時も、自分で『惜しい』とか『強いな』と言っていた。近くにいると聞こえてくる。深読みすれば、メッセージを託したといえるかもしれません」とも語った。初場所が綱とりの琴桜、豊昇龍以上に、照ノ富士は大の里の将来性に期待している様子と感じたという。