【ベトナム】1-3月期GDPは市場予想を下回るも、年後半に「経済成長の加速」が期待できるワケ【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフリサーチストラテジスト】
汚職撲滅を通じた権力闘争との観測も
ベトナムの汚職防止中央委員会は設立当初の2005年には政府の管轄下にあり、首相が委員長を務めていましたが、2013年に党の管轄へ移行し、書記長(党の最高ポスト)が委員長を務めるようになりました。グエン・フー・チョン書記長は汚職撲滅を通じて権力闘争を展開してきたという観測があります。皮肉なことに、チョン書記長の後継者候補とみられていたトゥオン氏も汚職撲滅の流れで辞任に至ったとも考えられます。 チョン書記長は2021年1月に党規約に反する形で3期連続で書記長に就任しました。チョン書記長は党内では保守派とみられており、以前には改革派のグエン・タン・ズン前首相と確執がしばしば伝えられました。チョン書記長は2026年には書記長を退任するとみられますが、トゥオン氏の辞任を契機に党内の改革派の勢力が相対的に強まるようになれば、長期的にはベトナム経済にはポジティブに作用する可能性もありそうです。 (2024年4月18日) 石井 康之 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフリサーチストラテジスト ※上記の見通しは当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。今後、予告なく変更する場合があります。 ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【ベトナム】1-3月期GDPは市場予想を下回るも、年後半に「経済成長の加速」が期待できるワケ【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフリサーチストラテジスト】』を参照)。
石井 康之,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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