オタクアナウンサー吉田尚記と振り返るアニメミュージック隆盛の15年 人気の根底にある魅力とLIVEイベントの醍醐味とは
アニメミュージックの醍醐味は「ワクワク」 アイマスやラブライブ!の隆盛から読み解く
――その後、2013年に「ラブライブ!」2015年に「BanG Dream!」(以下、バンドリ)と、アニメミュージックの殻を破るような、ゲームなどのメディアミックスで展開するコンテンツやアーティストが一般化してきました。 メディアミックスコンテンツで言うと、偉大だったのはやはりアイマス(アイドルマスター)だと思いってて、時代も鑑みると個人的には「0を1にしたのがアイマス」「1を100にしたのがラブライブ!」だったんじゃないかなと。アイマスも当然大きな存在になりました。 ――ちなみにアイドルマスターはいつから接点がありましたか? アケマス(アーケード版「アイドルマスター」2005年稼働)ですね、アーケードで初めてプレイしたのは秋葉原のタイトーステーションだったと思うんですが、“アイドルをプロデュースする”作品に触れて、魅力的すぎてそれ以外やらない自分が想像出来てしまって、「これが本格的に展開されたら自分の人生が終わってしまう」と思ったのをはっきり覚えていますね(笑) ――そのようなコンテンツが手掛けるライブの魅力は何だと思いますか。 アイドルという概念がゲームの世界でも成立しているのであれば、リアルでLIVEをやってみても面白いんじゃないか、としてライブも実際にやってみたのがアイドルマスターだとすると、当初から「ワクワク感」がすごかったと思います。ラブライブも同じで、月刊誌(電撃G'sマガジン)の投票企画だった頃からここまで発展しているのを見ると、やっばりアニメファンは「如何にワクワクするか」を見ているんじゃないかなと。 ――今となっては声優さんが歌って踊るって当たり前ですけど、ふと考えると当時のワクワク感はすごかったですよね。 「ゲームやアニメの世界がこの世に本当に現れるんだ!」というワクワク感はアイマス、ラブライブの核だと思います。アイドルマスターは発足当時、多くのキャストが新人だった中ですでに超売れっ子の釘宮理恵さんがいました。当時から知名度が圧倒的に高いので、ライブを中心に考えるならスケジュール的な問題がある可能性がある。 ただ、企画開始当初はライブのことを考えていないから、アイドルマスターという作品を成立させるために必要とされている人としてキャスティングされていました。その一方で新人も多かった。キャリアのある人も新人もいて、キャスティングがバラけている感じがまた魅力的でした。これはメディアミックス、ひいてはアニメミュージック全体の面白い要素のひとつだと思います。