働く者には心に”鷹野”を…現代人に贈る至高の名言とは? 続編希望の声があふれるワケ。ドラマ『無能の鷹』最終話考察レビュー
菜々緒主演のドラマ『無能の鷹』(テレビ朝日系)が放送中。はんざき朝未の大人気コミックスを原作とした本作は、超有能そうに見える主人公・鷹野ツメ子が実は実は全く仕事ができないという、超脱力系お仕事コメディ。今回は、第7話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】現代人の心にいつも菜々緒”鷹野”を…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『無能の鷹』劇中カット一覧
働く者には心に鷹野(菜々緒)を――。
働く者には心に鷹野を――。 『無能の鷹』(テレビ朝日系)最終回が29日に放送され、改めて自身の考え方を見直してしまう。 圧倒的な“デキるオーラ”を醸し出しながら、実際は無能の鷹野ツメ子(菜々緒)。全く成長しないまま、入社から1年が経過した。最終回では突如としてTALONの営業部が閉鎖となることが決まり、営業部のメンバーは実質解雇となることが明らかとなる。 そんな中でも、鷹野はいつものように慌てず、様々な偶然からヘッドハンティングの話が浮上。海を渡ってアメリカへ行くことが決まり、その一方で鷹野の発案によって作り上げた《鷹ロボ》が完成するという、土壇場ぶりが際立つ最終回となっていた。 鷹野はどこにいても鷹野だ。無能であることは変わらないし、成長もしようとしていない。その代わり、自分自身を偽ることがなく、常にありのままの姿を我々に見せてくれる。 だからこそ、仕事が全くできないことがすぐに周囲にバレてしまい、アメリカでも当然クビになってしまうわけだが、そんなふうに生きられたらどんなに人生が“豊か”だろうか。
「仕事ができなくても、生きているだけで偉い」
人は誰しも良く見られたいものだ。いい人だと思われたいし、仕事ができるやつとして認められたい。ただ、その感情は時に自分を苦しめることがある。 人に見せる優しさにしろ、仕事にしろ、努力自体が好きな鵜飼(さとうほなみ)のようなタイプであれば問題はないが、当然全員がそうではない。何のために生きているのか、働いているのかと、気づけば人生の迷子になってしまっている社会人の方も多いのではないだろうか。 そんな現代人に向け、鷹野の言葉を贈りたい。 「仕事ができなくても、みんな生きているだけで偉いのでは?」 もちろん、鷹野ほど仕事ができず、すぐに会社を追われていては死活問題であるが、その考え方自体は自らを救うこととなるはずだ。鷹野はあらゆる人にとって指針とも言えるべき存在なのではないだろうか。 雉谷(工藤阿須加)は鷹野に対して「みんながみんな、鷹野のようにはなれないんだよ」と諦めにも似た感情で言い返す。確かに鷹野みたいな人にはなかなかなれないよなと首肯した一方で、いやという感情が即座に心に浮かんでくる。 別に鷹野のようになること自体は簡単なのではないだろうか。ただ、自分を偽らず、自分らしくいることを肯定してやればいい。仕事ができる・できないは一旦置いて、鷹野のメンタリティは全員が備えていて損はないはずだ。