〈年金月23万円〉〈退職金2,400万円〉猛烈サラリーマンだった65歳父「そろそろ仕事を辞めてゆっくりと過ごすよ」と語っていたが…39歳長男、半年ぶりの帰省で絶句した「まさかの惨状」
仕事第一だった父が退職…老後に不安は一切なしだったが
定年後も働く人が増えているなか、引き際は自分で考えないといけないのが、今どきのサラリーマン。橋本秀樹さん(仮名・39歳)の父、大二郎さん(仮名・65歳)は、年金の受け取り開始とともに、仕事を辞める決断をしたそうです。 社会人になったのは1980年代の前半。「24時間働けますか?」が流行語になるほど、日本人が猛烈に働いていた時代を駆け抜け、以降も仕事第一でバリバリ働く猛烈サラリーマンだったといいます。 ――私が高校生のときに母が亡くなったんですが……男手ひとつで子どもを育てていかないといけない、というのもあったのでしょう。ますます仕事に猛進する父がいました 父が稼いでくれるからこそ、秀樹さんはじめ、3人の子どもたちは、大学、さらに弟は大学院にまで進学できたといいます。しかし「そんなに働いて、体は大丈夫なのか……」と常に心配していたとか。 ――「そろそろ仕事を辞めて、ゆっくりと過ごすよ」と、ほっとしたというか……これからは健康第一で、毎日を楽しんでほしいですね 前出のとおり、高齢者になっても仕事を続ける一番の理由は「生活の糧を得るため」。その点、秀樹さんの父、大二郎さんは、年金は月23万円、退職金は2,400万円ほどあり、ほかにも預貯金なども含めると、今後に対して不安は一切ないといいます。 秀樹さん、実家に帰省できるのは年に2回ほどですが、「今度、帰ったときは、近場の温泉にでも行って、父の定年でも祝おうかと考えています」と計画をしていたのだとか。ところが、計画は頓挫。何があったのでしょうか。 それは夏の帰省時。ほか家族の予定が合わず、秀樹さんだけの帰省になったそうです。計画していたように、帰省2日目からは弟たちとともに秀樹さんが予約したちょっといい温泉旅館へ。しかし、半年ぶりに訪れた実家でみた大二郎さんの姿に、思わず言葉を失ったといいます。
食べ物が腐り、ゴミが散乱する実家。父は風呂にも入らず…
――どうした、父さん? 部屋は散らかり放題で、食べ物が腐ったすえた臭いが充満しています。いつからゴミ出しをしていないのでしょう。大きなゴミ袋が積み重なっています。また大二郎さん自身、お風呂にまったく入っていないのは明らかな風貌です。秀樹さんの問いかけに大二郎さんは「何もやる気が起きなくて……」と力なくつぶやいたといいます。 旅行は急遽中止し、病院へ。そこで、うつだと診断されたといいます。 ――それまで仕事だけをしてきたような人だったので。仕事を辞めた途端、抜け殻のようになってしまったんでしょうか 厚生労働省『令和6年版厚生労働白書』によると2020年の精神疾患を有する外来患者数は、約586万人。「55~64歳」が71.4万人、「65~74歳」が69.4万人、「75歳以上」が136.2万人。高齢者においては、加齢に伴う心身機能の低下や社会的役割の喪失に伴う不安感の増大などが、うつの発症に関わっているといわれています。また認知症とうつは合併することが知られていて、認知症の前触れとしてうつが現れる場合も。 また白書では「心の健康によい影響を与えている人」として、「同居家族がよい影響を与えている*」の回答が67.3%と、別居の家族や、学校や職場の友人・同僚、近隣の人など、さまざまな関係のなかでも突出しています。反対の見方をすれば、単身の高齢者は心の健康に対して不安にさらされているといえるでしょう。 *よい影響を与えている、どちらかといえばよい影響を与えているの合計 秀樹さん、父の病に対してどうすべきか、きょうだいで話し合っているといいます [参考資料] 内閣府『生活設計と年金に関する世論調査(令和5年11月調査)』 厚生労働省『令和6年版厚生労働白書』
【関連記事】
- ▼「退職金2,800万円」「貯金4,000万円」60歳定年退職のサラリーマン夫、花束を抱えて家路…自宅で待っていた妻の「衝撃のひと言」に戦慄
- ▼絶対に来るなと言っただろ!「年金20万円」「150坪の邸宅」で1人暮らしの〈79歳・昔気質の父〉、娘と孫の訪問を断固拒否する「悲しい理由」
- ▼〈退職金2,000万円〉〈年金月22万円〉65歳で仕事を辞めた元サラリーマン、楽しかったのはわずか2週間「毎日テレビばかり観ています」の苦痛
- ▼「ジジイ、はよせえ!」怒声を浴びながら時給1,200円でアルバイト…現役時代は年収1,200万円の67歳元勝ち組が“年金月20万円”で全然足りない、切実な理由【FPの助言】
- ▼「月収70万円」「退職金2,800万円」会社を去る決断をした60歳の金融マン、単身赴任を終えて帰京。夫婦水入らずの生活が始まるはずが、妻の「まさかのひと言」で終了【転勤族の老後事情】