陸上日本選手権で見つけた“ある異変” 偏差値70超の公立進学校→アメリカ名門大へ…「高校では超無名」愛知の19歳はなぜ日本の頂点に立てた?
学業と陸上、両方でスカラシップも
そこからは英語を猛勉強し、アメリカでNCAA Division Iのビッグ12カンファレンスに所属するカンザス大に進学した。現在は学業と陸上の両面からスカラシップを受け、全額とはいかないまでも学費を補填することもできているという。 近年、日本の有力アスリートの中には海外大に進学する選手自体もいないわけではない。今年は高校野球の佐々木麟太郎選手のスタンフォード大学進学も大きな話題となった。 その一方で、海外に進学してトレーニングをしたからといって、それだけで記録が伸ばせるほど甘い世界ではないこともまた、過去のトップランナーたちの事例が示している。 そんな中で樋口はわずか1年弱の大学生活で高校時代の1500mの自己ベストを7秒近くも更新し、U20とはいえ影すら見えていなかった日本一までたどり着いた。そこにはどんな秘密があったのだろうか。 「うーん……そうですね。行ったばかりの頃は慣れないことばかりなので、焦って結果を出そうとはしないほうが良いかな、とは思います。まずは自分がいる環境に身を任せて、全部イチからやってみる。その感覚と覚悟が大事だったのかなと思います。 僕の場合は、ほんとに心身ともに全部強くなったと思います。生活から全部、英語でコミュニケーションをとらないといけない。その分メンタルの強さも必要ですし、筋力トレーニングもハードなトレーニングがたくさんあるので、フィジカル的にも成長できました」 良くも悪くも樋口は実績のない状態でアメリカに挑んだ。 駅伝強豪校の出身でもないだけに、トレーニングのスタイルにも確たるこだわりがなかった。それだけにアメリカスタイルの練習に対しても、柔軟に受け入れることができたことが大きかったそうだ。 「日本はすごく高校生のレベルが高いので、国内で見ればそこまで図抜けた持ちタイムではなくても、アメリカでは獲ってくれる大学があるんです。もちろん英語力も必要になるんですけど、例えばそこも含めて文武両道でやりたいとか、そういうスタイルにも合うような進路が良いという選手なら、アメリカで活躍してタイムも伸びるチャンスがある選手は多いと思います」
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