“性”を巡る問題にスパイ行為、セーヌ川汚染… パリ五輪を揺るがした「7つの論争」を米大手メディアが選定!
いくつかの問題はありながらもフランス人の79%は成功に楽観的
3つ目は、カナダ・サッカーのスパイ行為。男女代表チームで常習的に行なっていたことを認めており、罰金、関係者たちの停職処分に加えて、今大会に出場した女子代表はグループステージで勝点6剥奪のペナルティーを受けたが(それでも準々決勝進出)、男子代表についても「アメリカ、メキシコと共催の2026年ワールドカップに影響が及ぶ可能性がある」と同メディアは指摘した。 4つ目は、大会前から懸念されていた「汚染されたセーヌ川」。1世紀以上にわたって水泳が禁止されていたというこの川はトライアスロン等の競技の会場となり、15億ドル(約2205億円)を投じて浄化作業が行なわれ、パリ市長自らが泳いで水質良化をアピールしたが、後の検査で「アスリートが大腸菌やその他の細菌によって健康被害を受ける可能性が高い」との警告が出され、また選手からも不安の声が聞かれたものである。 そのセーヌ川で行なわれた開会式で物議を醸したのが、ドラァグクイーンやトランスジェンダーのモデルらによるレオナルド・ダビンチの名画「最後の晩餐」を連想させるパフォーマンスで、カソリックの総本山バチカンからも抗議の声明が出される事態となり、開会式を演出した舞台演出家のトマ・ジョリー氏は「『最後の晩餐』は私のインスピレーションの源ではない。作品の中には、誰かを侮辱したり、嘲笑したりする意図は一切ない」と弁解する羽目となった。 大会直前には、フランスの陸上短距離走者であるスンカンバ・シラが、イスラム教徒の女性が頭部や身体を覆うために使う「ヒジャブ」の着用を理由に開会式の出席を拒否されたことをSNSで明かし、後にフランスの五輪委員会は「我が国のオリンピアンは公務員に適用されるのと同じ原則に従うべきであり、それには国家と宗教の分離を維持するためのヒジャブ禁止が含まれる」と主張している。 そして最後は、イスラエルに対する観客からの反ユダヤ的な言動が挙げられた。男子サッカーのパラグアイ戦では、ガザ地区における紛争に関連するバナーが掲げられ、その中には「ジェノサイド・オリンピック」と書かれたものもあったという。また、イスラエルの国歌斉唱時にはブーイングがスタンドから浴びせられたことも確認されている。 『Newsweek』誌は記事の最後に、それでも「五輪は全体として非常にスムーズに進行している」と五輪組織委員会のスポークスパーソンが語ったことを紹介するとともに、パリ市民の大会運営に対する見方は圧倒的に肯定的なものが多く、フランス人の79%が大会の成功に楽観的な姿勢を示していると伝えた。 構成●THE DIGEST編集部
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