世界選抜10連敗のなか光った松山英樹vsシェフラー 世界1位に劇的勝利【コラム】
第15回プレジデンツカップは18.5対11.5ポイントで、米国選抜が世界選抜との対戦を制し大会10連勝を飾った。 太陽が西に傾き茜色の光線のなか行われた表彰式。主催地のカナダ(ロイヤル・モントリオールGC)のトレドー首相から特大の優勝カップを手渡された主将のジム・フューリックは「本当に素晴らしい12人のメンバーでした。勝てたのは選手のおかげ。ベテランがリーダーシップを発揮してくれたから私の仕事はとても楽でした」と選手たちの健闘を讃えた。 大会初日は5連勝でスタートしたが、2日目は世界選抜が5連勝を挙げ試合は振り出しに。しかし3日目の接戦をことごとく制した米国選抜が優勝に王手。最終日のシングルスでは6試合目に登場したキーガン・ブラッドリーがキム・シウを1アップで破った瞬間、アメリカチームの勝利が決まった。 「これが人生最後のゴルフでも悔いはない」というほど大興奮したブラッドリーが貴重な1ポイントを挙げ、最終的には18.5対11.5と大差で、大会史上アウェイで挙げた最大差優勝を達成。これで通算13勝1敗1分だ。 そんな中、シングルスで世界ランク1位のスコッティ・シェフラーと対戦した松山英樹が気を吐いた。8バーディを奪う快調なゴルフで1アップの劇的勝利。エース同士の対決を制し「本当にうれしい」と相好を崩した。 1番でいきなりシェフラーにバーディを決められリードを許したが、6番から3連続バーディで逆転。終盤では15番パー4で第2打がカップインかと思わせる松山らしいショットが炸裂。17番もバーディを決め、最後はシェフラーがバーディを決め切れず、慎重にパーパットを沈めた松山の勝利が決まった。 「最後のパットはすごく緊張しました。手が震えていた」 前日のチーム戦ではシェフラー&ラッセル・ヘンリー組に3&2で敗れ悔しさをあらわにした。しかしシングルスでリベンジを果たし溜飲を下げた格好だ。 敗れたチームの主将、マイク・ウィアーは「勝てなかったのは残念ですが、多くのマッチが僅差の接戦でした。スタッフも含めチーム全員が家族的な雰囲気と愛情に溢れ、本当に信じられない体験でした。ギャラリーも素晴らしかった。我々はこの大会で多くのことを学びました」と語っている。 次回の2026年はアメリカの名門、シカゴ郊外のメダイナCCで開催される。