（写真：レスポンス）

中国のEVメーカーBYDは6月25日、新型のEVスポーツセダン『SEAL（シール）』の日本国内販売を開始した。ブランドリーダーとして認知、イメージ向上を図るべく、導入記念キャンペーン価格として台数限定で495万円から（後輪駆動モデル）という戦略的な値付けとした。納車開始は7月末ごろを予定している。 詳細画像：BYD SEALの後輪駆動と全輪駆動モデル BYDの日本法人であるBYDオートジャパンとしては、日本市場参入の第3弾となる。第1弾として登場したコンパクトSUVの『ATTO3（アットスリー）』、第2弾のコンパクトカー『ドルフィン』とは異なるスポーツセダンのシールを導入することで、幅広いラインアップをアピールする。EVセダンとしては、世界的なヒットとなっているテスラ『モデル3』が直接のライバルとなる。 日本における輸入セダン市場は欧州Dセグメント（ミッドサイズクラス）が約50％を占めるメインマーケット。BYDはこの市場にBYDの強みである「先進的なバッテリー技術」「最新のEVプラットフォーム」「最新の安全・快適装備」を備えたシールを投入することで「eスポーツセダン」のポジションを確立し、国内セダン市場でも存在感を示していくとしている。 ◆航続距離は640km、存在感のあるデザインと質感 シールは、BYDブランドの「海洋シリーズ」に属しており、デザインのモチーフは「大海原を自由に回遊する海洋生物をイメージした流麗なフォルム」としている。「オーシャンエックスフェイス」と呼ばれるフロントエンドは、滑らかな面と幾何学模様のLEDがひと目でシールとわかる表情を作り出している。 全長4800mm×全幅1875mm×全高1460mm、ホイールベース2920mmの4ドアセダンでありながら、クーペのようなプロポーションが特徴。なだらかなルーフとしながらも、後部座席のヘドクリアランスを十分に確保し、バッテリーを床下に搭載することで広く、フラットな足元スペースとあいまって快適な居住空間を作り上げた。ドアハンドルは乗降時にのみ飛び出すタイプで、走行中や停車時には凹凸のないフラットなデザインを実現している。 インテリアは輸入Dセグメントセダンらしく、手触りが良く質感の高い素材を使った上品な仕立てに。後席上部まで届く大開口のガラスルーフが、車内を明るく開放的にしてくれる。コックピットセンターの大型インフォテイメントディスプレイは、BYDならではの機能として縦横の回転が可能なものとなっている。運転操作面では、輸入車でありながら方向指示器（ウインカー）レバーはハンドルの右側にあるため、日本車と同じ感覚で運転することが可能だ。 シールは車体構造にBYD独自のバッテリー「ブレードバッテリー」を組み入れた「CTBテクノロジー」により、堅牢なボディ剛性を実現。そのバッテリーは、多くの他社製EVが採用する三元系リチウムイオンではなく長年研究し製品化をおこなってきた「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」で、バッテリー内部の熱暴走が起こりにくいというメリットがある。これにより安全性、長寿命、航続距離などEVに求められる性能をバランスよく実現するという。安定した充電性能の高さも売りで、既存の急速充電器で30分で40kWh以上の充電が可能だとしている。 航続距離は、ベースモデルで後輪駆動の「BYD SEAL」が640km（申請中）、高性能版の四輪駆動「BYD SEAL AWD」が同575kmと、日常使いから遠出までをこなせる十分なものとした。 また、ペダル踏み間違い時加速抑制装置、自動緊急ブレーキ、交通標識認識システムのほか、社会問題にもなっている車内への幼児置き去りを防ぐ検知システムなど、先進安全技術、快適装備も満載した。 ◆特別価格で495万円から、CEV補助金は35万円適用か 希望小売価格は、BYD SEALが528万円、BYD SEAL AWDが605万円。ボディカラーは全5色をラインアップ。納車開始はBYD SEALが7月末ごろ、AWDが8月末ごろを予定している。 さらに1000台限定で「導入記念キャンペーン特別価格」を設定。BYD SEALが495万円、BYD SEAL AWDが572万円と、通常の価格から約30万円安く購入することが可能。さらに8月31日までの期間限定で初期購入特典も用意。ETC、ドライブレコーダー、メンテナンスパッケージ「eパスポート」、充電器と工事費の最大10万円サポートを受けることができる。 またCEV補助金は申請中だというが、従来通りなら35万円が適用になる見通しだ。