コンサル1年目が学ぶ「雲雨傘」の論理とは何か 「雲があって、雨が降りそう、だから傘を」
「なんだこれは! これをどうしろというんだ。俺がこの記事を全部読めというのか?」 上司の言うことはもっともです。 ここで新人が怒られた理由、それは自分なりの解釈がなかったことです。雲雨傘の例でいうと、雲(データや観察事項に相当するもの)を単に提示しただけ。実に不親切です。 単にデータや記事を渡すだけではなく、そこから何が言えるのかをセットでもっていかなくては、意味のある報告にはなりません。 たとえば、あなたが医者にかかり、血液検査をしたとします。そして1週間後、検査の結果が告げられました。
アラニントランスアミナーゼ、ヘマトクリット値、GGT……、わけのわからない項目と数字を見ながら、医者はあなたにこう言います。 「はい、血液検査結果です。これを見て、どうぞ考えてください」 あなたは憤慨して、きっとこう言うに違いありません。 「え? わたしには解釈なんてできません。この数字を解釈するのが医師の仕事では? そして、悪いところがあるのなら、薬をください!」 まさに事実だけのレポートを提出する新人は、この医師と同じです。
病気なのか、健康なのか。何に注意したらいいのか。問題があったとして、それは重大なことなのか、些細なことなのか。 ほしいのは、「だから何なのか?」という解釈です。 そして、必要に応じて、薬を処方するといったアクションをとってもらいたい。 それを抜きにして、検査結果だけ渡されても患者は困惑するだけです。 ビジネスも同様です。解釈のないグラフをいくらたくさんつくっても、関係ありそうな記事をいくらたくさん集めても、だから何なのか? という解釈がないと、問題を解決するための役には立ちません。
事実(=雲)だけでは報告とはいえない。 「だから何なのか」という解釈もセットでもっていく。 ■Why So? が欠けている 失敗② 根拠を提示していない 次にやりがちなのは、アクションだけをもっていくことです。雲雨傘の例でいえば、「傘をもっていったほうがいい」というのがアクションに相当します。 単にアクションだけを提示されても、なぜそうなのか? ということがわかりません。 コンサルタント用語では、Why So? が欠けているといいます。