建機出荷額、6カ月ぶり増も…底打ちはまだか
日本建設機械工業会(建機工)が29日発表した7月の建設機械出荷金額は、前年同月比0・3%増の2960億5600万円と、6カ月ぶりに増加に転じた。国内が同5・7%増の909億3700万円と3カ月ぶりの増加となったほか、輸出向けも同1・9%減の2051億1900万円と6カ月連続の減少ではあるものの、減少率が6月の同10・0%減より大幅縮小したのが理由。ただ建機工では「大口案件と前年の反動で押し上げた面もあり、底打ちかどうかはもう少し様子を見ないとわからない」(事務局)としている。 国内向けの数字を押し上げたのはホイールローダーなどに使われるトラクターで、同11・9%増の113億6500万円と2ケタ増。道路機械も同35・3%増の30億800万円と伸びた半面、油圧ショベルは同0・6%増の248億3600万円と微増で、ミニショベルは同6・1%減の68億4200万円と低調だった。 輸出は6月に同5・2%減となった北米向けが、同30・4%増の770億円と好調だった。「2023年7月が減少で発射台が低い面もあるが、公共工事の油圧ショベルに加え、ミニショベルも伸びている」(同)という。 欧州向けは同34・3%減の262億円で9カ月連続の減少で、アジア向けも同10・2%減の174億円と低調が続く。高金利の影響で、引き続き投資意欲が鈍い模様だ。輸出全体の機種別ではトラクターが同16・3%増、建設用クレーンが同26・5%増と伸びている一方、油圧ショベルは同17・5%減、ミニショベルも同7・1%減となった。 最大市場の北米の動向は大手メーカーでも、レンタル会社の在庫調整や住宅着工減を指摘する“悲観派”と、公共需要を見込む“楽観派”に見方が分かれる。また、稼働状況の指標である補給部品は国内が同10・2%増、輸出向けも同19・4%増と好調で、「実態は数字ほど悪くない」(同)との見方もある。