世界1位シナーが禁止薬物で陽性も出場停止ないまま無実に。選手らからは反発の声【テニス】
シナー、今年3月にドーピング陽性反応も最終的に無実を証明
国際テニス・インテグリティ機構(ITIA)は8月20日、今年3月のドーピング検査で2度の陽性反応を示した世界ランク1位のヤニック・シナー(イタリア)について、過失がないと結論付けた。 【動画】シナー、全米オープン前哨戦で今季5度目のタイトルを獲得 ベストショット集 今年1月の全豪オープンでグランドスラム初優勝を果たしたシナーは、今年3月に行われたATPマスターズ1000インディアンウェルズの開催期間中、期間外の2度にわたり検体を提出。だが、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が禁止薬物に指定し、筋肉量を増やす効果があるクロステボルが検出された。 これによりシナーは暫定的な出場停止処分が出るが、2度とも不服として申請。シナーの理学療法士が自身の皮膚にクロステボルを含む市販のスプレーを使用しており、マッサージや治療を手袋せずに施術したことでシナーの皮膚に取り込まれた説明。ITIAによる調査に対してシナーやそのチームは調査に何度も応じ、その結果、違反は意図的なものではなかったとしたという。 しかし、ドーピングの陽性反応が出たことは事実。ATPマスターズ1000インディアンウェルズで4強入りした際の賞金32万5000ドル(約4700万円)、ランキングポイントは没収されることとなった。 これに反発したのが普段から自身の体に取り入れるものに注意を払う選手たちだ。元世界ランク13位のニック・キリオス(オーストラリア)は、「ばかばかしい。偶然であり、意図したものであれ、禁止薬物で2回も検査を受けたんだ…2年は出場できないはずだ。君のパフォーマンスは強化された。マッサージクリームか、いいね」と皮肉っぽく批判した。 また、ダニエル太郎も「これは明らかにおかしい。ワザとではなくても陽性になった瞬間に6ヵ月の出場停止があるはず。出場停止なしどころか4ヵ月後にこの発表があってその間に大会出続けているのも全てが今までのプロトコルと違う。政治」とITIAの裁定が選手によって揺らいでいると疑問視した。
Tennis Classic 編集部