近大のパリ五輪代表WTB植田和磨「ひっくり返せば、日本中がわく」21日早大戦/全国大学選手権
全国大学ラグビー選手権準々決勝(21日、東京・秩父宮)で優勝候補の早大(関東対抗戦1位)と対戦する近大(関西3位)は19日、出場メンバーを発表した。勝てば、1949年の創部以来初の4強。下馬評では圧倒的に不利とみられる中、今夏のパリ五輪7人制ラグビー日本代表で、WTBで先発する植田和磨副将(4年)は「失うものは何もない。(下馬評を)ひっくり返せば、日本中がわくだろうし、自分たちも一番うれしい」と番狂わせを起こす覚悟で決戦に挑む。 近大は今季の関西リーグで5勝2敗。最下位の関大に敗れ、2位の京産大には14-56と完敗した。一方の早大は激戦の関東対抗戦で17季ぶりの全勝優勝。大学選手権3連覇中の帝京大も48-17で圧倒しており、5季ぶりの大学日本一へファンの期待も高まっている。 その実力については植田も「フィジカル面やボールの動かし方とかは自分たちより上のレベル」と認めるしかない。だが「手堅いプレーだけで倒せるとは思っていない。自分がボールを持ってゲインしたり、トライしたりすることによってチームが流れに乗ることができる」と強調。パリ五輪で「どんなに頑張っても絶対に追いつけない速さ」という世界最高峰の選手と戦ったことや、日の丸を背負った経験を生かし、自身のビッグプレーで勝機を引き寄せる。 そんな植田ともに1年時からレギュラーとしてチームを支えてきた同学年の右PR稲場巧、NO・8古寺直希も先発で出場する。 稲場は「自分ができることはスクラム。そこでどれだけ圧倒できるか。圧倒します」と宣言。170センチと小柄ながら体重100キロの頑強な体を張ってFWをけん引する古寺は「(早大には)良いランナーがいるが、強みのディフェンスで止めて勝ち切りたい」と闘志を燃やす。 近大は3人が1年生だった3年前に9大会ぶりに大学選手権に出場。そのとき以来となる今大会は初戦の3回戦で福岡工大に大勝(○74-12)し、2002年度以来22大会ぶりの8強入りを決めた。 卒業後はそれぞれ別のリーグワン1部のチームへ進み、ライバルとして戦う予定。その前にアウェーの秩父宮で優勝候補に一泡吹かせ、近大の名を全国にとどろかせる。(月僧正弥)