タイに移住、食堂を営む日本人のリアル。スタッフの“横領”が発覚して人間不信に陥っても「タイが好きだから」
タイ人スタッフの横領が発覚
しかし、現地で食堂を経営し、タイ人スタッフを雇う上では苦労もあったという。 「うまロイ食堂をオープンして半年ほど経った頃に、信用していたタイ人のコックの横領が発覚したんです。売り上げや仕入れ代を誤魔化して、それに僕が気づいて問い詰めたら翌日から来なくなりました。そのときはお客さんが来ても料理がほとんど出せず、タイ人を信じられなくなるくらい落ち込みました」 そのときに入店してサポートしてくれたのが、以前やっていたバービアでママを任せていた女性だったという。
「それでもタイが好きだから」
「いまはママをはじめとした女性スタッフを中心に採用していますが、言葉や文化の違いに苦労することも少なくありません。日本の常識やルールが通用せず、遅刻や突然の欠勤が起きることもあります。それでも、人懐っこい性格の子が多く、その温かさが日本人のお客様にも喜ばれていると感じます」 現在、UDさんはYouTubeのライブ配信を週に1回行い、パタヤでのリアルな生活情報や店の雰囲気を視聴者に伝えている。今後は、いま取り組んでいるタクシー配車やゴルフ関連事業などをさらに広げ、観光客が安心して楽しめるサービスを提供したいという思いを抱いている。 最後にパタヤの魅力について語ってもらった。 「パタヤはリタイア層だけでなく、若い人にも楽しめる街です。タイ人のフレンドリーさや、ゆるい雰囲気が本当に魅力的です。時には人を信用できなくなることもありますが、それでもタイが好きなので、これからも日本人とタイ人を繋げていきたいです。パタヤを訪れる人は、ぜひうまロイ食堂で一緒に飲みましょう!」 <取材・文/カワノアユミ> 【カワノアユミ】 東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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