タイに移住、食堂を営む日本人のリアル。スタッフの“横領”が発覚して人間不信に陥っても「タイが好きだから」
パタヤで“日本人旅行者と積極的に関わりたい”という思いから食堂をオープン
何度かパタヤを訪れるなかでパタヤ関連の情報が少ないことに気づき、旅行の思い出を残す意味でもYouTubeを始めることに。2019年9月に『ゆうでぃーたいらんど UD Thailandチャンネル』を開設し、食べ歩きや食レポ、ホテルレビューなどを投稿するようになった。 「動画を撮影しているうちに、パタヤでの暮らしや食べ物に興味を持つ人が増えたと感じたんです。開設から3カ月で収益化に成功したとき、『これを本格的にやってみよう』と考え、日本の会社を退職することを決意しました」 2020年1月、UDさんは再びタイを訪れた。しかし、その直後にコロナ禍が本格化し、やむを得ず日本に帰国することに。日本での生活を経て、ついにパタヤへの移住を果たしたのは2021年の2月。同年8月にパタヤ・ソイ6でバービア(格安のビールバー)をオープンさせたが……。 「バービアでは女の子たちの管理が業務の大半を占めていました。ちょうどその頃、YouTubeのチャンネル登録者が増え、『パタヤに行ったらどこで会えますか?』と聞かれることが多くなっていたことから、もっと日本人のお客さんと関わりを持ちたいと思ったんです。 それで『これは自分がやりたかったことではない』と感じるようになり、日本人がもっと気軽に来れるレストランを始めたいと考えるようになったのです」 そんなタイミングで経営のバックアップなどの代行会社と方向性の違いもあり、バービアはわずか10カ月で閉店。貯蓄をほぼ失ってしまったと語るUDさんだが、現地に住む周囲の人間の協力を得て、2023年7月にオープンさせたのが現在の「UD Restaurant うまロイ食堂」だ。 うまロイ食堂の特徴は、タイ料理をベースに、日本の味を融合させた独自のメニュー。オリジナルのコームヤーン(豚の喉肉)丼やイカ料理などのメニューを、150~200バーツ(800円前後)と手ごろな価格で提供している。また、カウンター越しにUDさんと情報交換できることから現地在住の日本人や旅行者たちが連日訪れる人気店となっている。