石破茂首相に立ちはだかる「6つの壁」と「迫る波紋」私たちの暮らしへの影響
「第2次石破政権は“苦労人内閣”です。自民党内で地味に働いてきた議員が起用されました。1次政権とほぼ同じ顔ぶれで、現職閣僚2人が落選するなどしたため一部入れ替えただけです」 【写真】「シール貼ったまま(笑)」石破茂首相の“イシバノメガネ” と政治評論家の有馬晴海さんは話す。
石破茂首相が厳しい局面
石破茂首相が厳しい局面に立たされている。衆院選で自民・公明の与党が過半数を割り込み、野党の協力なしには何の法案も通らない。こども政策相として三原じゅん子参院議員(60)が1次政権に続き入閣。外務政務官に生稲晃子参院議員(56)、内閣府政務官に今井絵理子参院議員(41)が新たに起用された。裏金議員は登用しなかったが、当たり前だろう。 1つめの壁は、この内閣できちんと仕事ができるかということ。現職閣僚が落選すること自体が珍しく、内閣はグラグラと言わざるをえない。 「三原氏は参院当選3回。永田町では大臣の有資格者は衆院6回生、参院3回生以上なので有資格者ではあります。石破氏は党内の人脈が脆弱で声をかけられる人が少ない。短命内閣とみて“泥舟に乗りたくない”と考えた議員も少なからずいたでしょう。限られた人材から登用したため、内閣発足の記者会見で“適材適所の人事ですか”というお決まりの質問すら出なかったようです」(前出・有馬さん、以下同) 2つめの壁は、この内閣で臨む衆院の予算委員会だ。委員長ポストは立憲民主党の安住淳氏(62)に握られている。 「予算委員会は全閣僚出席のもと、委員長が答弁者を指名します。閣僚としてまともに質問に答えられず、野党議員に追及されても“助け舟”は出せなくなります。石破氏も同じで、“総理が答えてください”としつこく迫られる場面が予想されます」 予算委員会はテレビ中継されるため、答えられないと、みっともない姿を国民にさらけ出すことになる。 3つめの壁は、所得税が課税される年収『103万円の壁』をめぐる与野党の攻防だ。 手取りを増やすと公約した国民民主党の玉木雄一郎代表(55)は不倫報道をおおむね認めて評価を下げたが、ジャーナリストの大谷昭宏さんは「イケイケ、ドンドンの気勢は削がれても、有権者の期待には応えなければならない」として、こう話す。 「仮に玉木氏のいう178万円まで引き上げると、減収は国と地方を合わせて約7兆~8兆円と試算されています。その財源をどこから持ってくるか。選挙中、一部の野党は“企業の内部留保に課税する”などと訴えていましたが、約400兆~500兆円あるとされる企業の内部留保を取り崩してもらう交渉が必要になるでしょう。 パートの主婦や学生アルバイトの働き控えがなくなれば、人手不足に悩む企業側にもメリットはあります。厚生労働省がどさくさに紛れて『社会保険料の壁』を撤廃すると言い出しましたが、それは税金とは別の話です」(大谷さん、以下同)