「私の給料を知ってるのか?」敗戦後、日本メディアの質問にマンチーニ監督ピリピリ…日本とサウジアラビアの明暗はなぜ分かれた? 現地で見た舞台裏
サウジアラビアを率いるイタリア人指揮官、ロベルト・マンチーニ監督の会見は消沈ムードの中で進行していた。 【写真】マンチーニ監督(59歳)が嘆いた日本戦会見での表情は…?“完璧に崩した”鎌田大地&小川航基のゴール、喜ぶ選手たち。この記事の写真を見る。 10月10日に行なわれた北中米W杯アジア最終予選の第3戦。1勝1分けでグループ2位のサウジアラビアは対日本戦で過去3戦全勝のジッダに日本を迎え、5万6283人の熱烈な応援を背にして戦った。しかし、ハイクオリティな日本のプレーに太刀打ちできず、0-2のシャットアウト負け。1勝1分け1敗となってグループ3位に後退したことで、日本戦の前から出ていたマンチーニ監督解任論が活発化するのはやむなしという様相だった。 サウジアラビア代表でマンチーニ監督は英語を使っており、会見でもアラブ語の通訳を介して質問に答えていた。質疑応答の中には突然の4バック採用に関するシニカルなやりとりもあり、とげとげしい空気も滞留。サウジメディアが「失点の場面は選手の集中力が欠落していた」と指摘するや、通訳に「誰がそう言ったんだ?」と即座に確認し、通訳が「質問者のオピニオンです」とささやく場面もあった。イライラしている様子はあきらかだった。
「私の給料を知ってるのか?」日本メディアにマンチーニが詰問
会見場のピリピリ感がマックスに達したのは日本メディアからの質問が出た時だ。発音を聞き取りにくかったのか、その英語を通訳があらためて英語でマンチーニに伝えると、表情がみるみる険しくなった。 質問は「あなたの給料は高いが、それに見合った結果が出ていない。どう考えているのか」という単刀直入な内容。マンチーニは質問者をにらみつけるように「君は私の給料を知っているのか?」と詰問する口調でやり返す。質問者が「いいえ……」と言葉を濁すと、マンチーニはなおも「私の銀行口座をチェックしたのか?」と畳みかける。 会見場では“これは相手国のメディアが聞くべき質問なのか? ”という困惑が広がり、小さな苦笑いも漏れ聞こえた。 その後はアラブ語と日本語の通訳も介入しながら質問の文言の確認がいくつか繰り返され、最終的に質問者は「給料」に関する部分を取り下げた。しかし、時すでに遅し。質疑応答はみるみる拡散した。 イタリアメディアが「年俸40億円」と報じているサラリーに見合っているかどうかはさておいて、日本戦の内容はそこまで酷いものではなかった。それまで採用していた3バックではなく、4バックにアンカーを置く布陣からロングボールを多用する攻撃は、日本に対してそれなりの効果があった。ボール支配率でもシュート数でもサウジアラビアは日本を上回っていた。
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