門松作り、次世代へ 飯坂・湯野稲荷神社の総代3人
「伝統を守り、次の世代につなげていく」。福島市飯坂町の湯野稲荷神社の総代3人は、同神社に奉納する門松を初めて自力で制作した。総代長の菊田透さん(73)は「初めての割には十分なものができた」と門松の出来に満足げだ。
奉納方法自力で探る
同神社に奉納する門松は、総代長が個人で制作してきた。高齢のため5年ほど奉納できない状態が続き、総代長を引き継いだ菊田さんが奉納の方法を探ってきた。 菊田さんの知り合いから同市立子山で門松を制作している大河内美男(みつお)さんを紹介され、今月10日に菊田さんら総代3人が大河内さんの元を訪ね、門松作りを学んできた。菊田さんら総代は次回以降も自力で門松を制作する考えで、指導を受けなくても制作できるよう、大河内さんの作業を写真や動画で撮影してきた。 門松は、笑顔のように見えるように節近くでカットした3本の竹をオイル缶に立て、砂やおがくずを入れて固定した。稲わらで周囲を囲み、下から7本、5本、3本の縄で巻いた。クロマツや縁起物の南天、梅などを飾り付けた。 菊田さんと総代総務係の菱沼元一(げんいち)さん(67)は25日、制作した左右一組の門松を同神社に運び、仕上げの飾り付けを行った。菊田さんは「男結びという、ほどけにくい縄の結び方も教わった。教えることができる人がいるうちに技術を継承することが重要。私たちも次の世代に伝えていかないと途絶えてしまう」と語った。
福島民友新聞社