短縮した営業時間を戻せない…でもそれって実はまっとうなのかも。無人販売をポジティブに取り込むことで本屋さんの可能性はもっと広がる
◆あらゆるものごとは幸せな方に流れていく 大塚:コロナを経て、本屋さんの営業時間短縮が進んだのは事実だと思います。以前22時まで開いていたのを20時で閉める、といったお店が増えました。その流れに人不足が加わり、営業時間を戻せないまま、という書店さんがとても多い。 清水:前提として、負担が軽減される方向で一度変わったものが、もとに戻るのは困難。経営していた会社でも、リモートワーク導入後に、そのまま遠方へ引っ越したままの社員が多く…。コロナの流行を機会に、仕事や生活が楽な方、あるいは良い方に変わった部分もあったわけです。 編集:確かに以前は22時まで店を開けていられた。でもそれは、何かを犠牲にして成り立っていたのかもしれない。 清水:あらゆるものごとは、より幸せな方へ流れていく。その結果として、時短や自動化に流れたなら、それはやむを得ない。でもそれで、やりたくないけど、やらざるを得なかった仕事が減るのなら…至極まっとうなことと思います。余裕ができた分、クリエイティブな仕事や新しいことにチャレンジしたり、困っている人を助けるために時間を使えたなら、やっぱり幸せなんじゃないかな? だから、無人化が進むのをポジティブに捉えたいですよね。パートさんを減らす、とかそういうことではなく。セルフレジなんか、その典型かも。 編集:セルフレジ、書店さんでも導入店舗が増えていますよね。このままレジが高機能になっていけば、現場の業務負担軽減はもちろん、データ集積もより進んでいくのでは? 大塚:多くの書店は「スリップ」による在庫管理から、すでに「POSデータ」管理に切り替わっているので、その意味で、かなり利便性は高くなっていると思います。ただし、これからより集約が進んで、どの地域のどの時間に、どういった本が誰相手にどれくらい売れたか、といった細かいデータ集積や分析がより進んでいくのは間違いないでしょうね。 編集:街そのもののデータのハブとして、書店がその価値や存在感を高めていく。そうなるといいですよね。
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