「手のひら返し」と批判浴びる石破首相の危うい今後 野党、「代表質問」「党首討論」で“変節”追及へ
また外交安保では、「現実的な国益を踏まえた外交」を進める立場から「日米同盟の抑止・対処力を強化する」と明言。対中外交については「戦略的互恵関係の推進」を掲げる一方、中国の東・南シナ海への進出には強い懸念を表明し、9月の日本人男児襲撃事件については「断じて看過しがたい」と厳しく非難した。 併せて、来年国交正常化60周年を迎える韓国とは、アメリカを含め緊密な連携を図る考えを強調。自衛官の処遇改善に向け、自身をトップとする関係閣僚会議の立ち上げを表明した。その一方で、自民党総裁選で掲げたアジア版北大西洋条約機構(NATO)創設や、日米地位協定の改定にはあえて言及しなかった。また、自民党が党是とする憲法改正については、首相在任中の国会発議に触れ、「議論を積極的に深めてほしい」と衆参両院憲法審査会での論議促進を呼び掛けた。
そして、自らの政治信条を盛り込むいわゆる「結び」では、「納得と共感の政治」と題し「私は、議員になる1年前の昭和60(1985)年、渡辺美智雄代議士の、『政治家の仕事は勇気と真心を持って真実を語ることだ』との言葉に大きな感銘を受けた」と思い入れたっぷりに語り出し「爾来(じらい)40年、こうありたいと思い続け、今、この壇上に立っている。政治を信じていただいている国民の皆さまが、決して多くないことを私は承知しているが、政治は国民を信じているのか。『どうせわかってはもらえない、そのうち忘れてしまうだろう』などと思ってはいないか」と自省。
その上で石破首相は、「国民を信じない政治が、国民に信じていただけるわけがない。勇気と真心を持って真実を語り、国民の皆さまの納得と共感を得られる政治を実践することで、政治に対する信頼を取り戻し、日本の未来を守り抜く決意だ」と切々と訴えた。ただ、この「結び」に対しても、野党の野次は一段と激化、「自民党席からの拍手はほぼかき消されるような異様な幕切れ」(自民長老)となった。 ■「自公過半数割れ」なら政局大混乱も