"山川の日本史"をひたすら要約した…発達障害の息子が麻布中学に合格した「たった2つの試験対策」
■麻布入試で受験生に問われる3つの力 麻布の問題は、進学校や難関校と言われるほかの私立中学と比べても「特殊過ぎる」とよく言われます。「記述問題の中でも“思考”を問う問題が多い」ことに加え、「大学受験の入試問題よりも長い問題文」があることから、そう言われているのです。 つまり、麻布の入試では、この3点が問われていると感じました。 ---------- ①長大な文章を速く読む力。 ②深い思考力。 ③考えたことを書く力。 ---------- 保育園時代に先生から「大人の文章も読めている」と言われた息子の読むスピードは、6年生時点で私よりもずっと速くなっていましたから、①は問題ありません。思考力は息子の一番得意な部分です。②もクリアできる。つまり、「相性最悪」だと考えていた麻布は、③さえ克服できれば合格の可能性があるということです。 「受験まで残り時間が少ないなら、知識を増やすより、持っている知識をスムーズに書ける練習をした方がいいのではないか?」 「麻布は記述問題が多いのだから、記述力を高める以外に偏差値を急増させることはできないのではないか?」 “麻布宣言”があった日の深夜、仮説思考で問題が整理されて“極細”ですが合格への道筋が見えてきました。 ■戦力を「強み」に集中させるMBA戦略 内田先生の仮説思考に加え、私はもう1つの戦略を麻布受験に使用しました。 それがMBAで教わる戦略の中で最も有名なものの1つ、競争戦略研究の第一人者であるアメリカの経営学者・マイケル・ポーターの「差別化集中戦略」です。 差別化集中戦略を端的に言うと、「攻めるフィールドを限定すること」「戦力を自分の強みのある部分に集中させること」です。そして、この戦略は「投下できる資源(資金)が少ない」時に効果を発揮します。 大手チェーンを押しのけて、北海道内での強さと人気を誇っているコンビニチェーン・セイコーマートや、他県からの買い物客がいるほどファン創造に成功した仙台のスーパー・主婦の店さいちも差別化集中戦略の成功事例です。また私の古巣であるテレビ東京の成功したいくつかの番組も、この戦略に則ったものでした。