世代NO.1左腕・藤田琉生(東海大相模)の決意「僕は気合いと根性でプロの世界を生き抜く」【ドラフト候補インタビュー】
“独学”でフォームを研究!前例のない”2m投手”の試行錯誤
――以前原監督とお話した時に、「身長は伸びるけど、内臓の部分とかが成長してない」とお話を伺ったことがあったんですけど……。 藤田 高校2年の秋くらいまで、2ヶ月に1回とか3ヶ月に1回とか、お腹を壊すことがあって迷惑かけてしまいました。身長が伸びても、体の内側が育ってないので、練習を休んでしまうことが多かったですね。 検査受けても、いつも胃腸炎と言われるんです。なかなか原因が見つからない状態だったんですけど、おそらく身長に体の内側の成長が追いついてない形だったんだと思います。それが原因で人よりも練習を休んでしまうことが多かったですね。 ――今は良くなりましたか? 藤田 なぜか勝手に良くなりました。いっぱい食べて体重を増やすことができたので、だんだんと胃が追いついてきたのかな、と。身長が止まったので、やっと体の内側が成長する期間になったんじゃないかなと思います。 体重は2年夏のケガをする前が80キロぐらいでしたが、今は約92~93キロです。「とにかくまずは90キロにしよう」って原監督にずっと言われていました。 ――2メートル近いピッチャーはプロでもなかなかいないわけですが、どんなことを意識して投球フォームを作ってきたんですか? 藤田 中学校の頃はYouTubeなどでいろんな選手の動画を見て、フォームを変えつづけていたんです。それでも伸び悩んだことがあったので、高校では「絶対独学でやる」と決めました。自分で考えて、当てはまるものがあったらそれをやり続ける。当てはまらなかったら引き出しにしまって次の引き出しを出す、という形でずっとやっていました。 ――プロ野球選手のこの部分を真似しようとか、そういうのもなく、自分の感覚の中でやってきましたか? 藤田 取り込むことはあったんですけど、参考程度にして、引き出してしまうっていう形でずっとやっていました。感覚的にいいんじゃないかなと思ったら、1週間ぐらい試してみて、実戦でもやってみて……という感じですかね。 合わなければ捨てるんじゃなくて、合わなくても頭の片隅の引き出しにしまっておきます。次に伸び悩んだ時に、もう1回やってみて、そしたら次はそれが当てはまって、いい結果が出るとかありますし。 ――自分の中に取り込んで手応えがあった、ものになったというものがあれば教えください。 藤田 メジャーリーグは身長の高いピッチャーが多いですが、「小さく投げずに大きく投げる」というか、 ダイナミックなフォームっていうのが自分の中で印象的だったので、それを意識していました。中学校の頃は「小さく投げる」という感じだったので、高校からは堂々と投げようと思って、メジャーの大きい選手というイメージを持ってずっと投げていました。 ――バレーボールのトレーニングを取り入れていると聞きましたが。 藤田 高校生からです。高校1年生のこと伸び悩んでいたときに、長谷川(将也)コーチに教えてもらいました。長谷川コーチがバレーの先生と仲が良くて、野球の投球動作がバレーの動きと似ているので、 「少しやってみたら」と教えてもらいました。 ――それは自分の感覚にマッチしましたか? 藤田 はい、マッチしました。今でもずっとやり続けています。ピッチングする日はとにかく取り入れるようにしています。違うスポーツからでも、取り入れるべき練習っていうのがあったんだなっていう新たな気づきを得ました。 ――二段をモーションにしたことで一気にハマったっていう話も聞きましたが、具体的に二段モーションにしたことで、フォームのどこが良くなったと感じましたか? 藤田 二段モーションが禁止だった時は、力で投げているというか、頑張って投げてしまっている部分があったんですけど、二段モーションが解禁されたことによって、自分のリズムの中で投げられるようになり、並進運動が早くなった結果、下と上の連動性が高まって、軽い力で少し球速を上げることができました。 ――甲子園終わってから日本代表としてプレーすることありましたけど、ハイレベルな選手たちとのプレーというのを経験して、自分の中で得た気づきや変化はありましたか? 藤田 高校日本代表に選ばれて、初めて国際大会を経験させてもらって、とても最初は緊張しました。台湾のピッチャーとか韓国のピッチャーは、平気で150キロを超えるピッチャーが多かったですけど、自分もこの先プロ目指して今やっている中で、やっぱりこの人たちに勝たないといけないわけです。ライバルという存在が見えたので、刺激になりました。