子どもに居場所、見守るカフェ 天草市牛深に風本さん夫妻開業 子ども食堂16日開催「地域との交わりを」
天草市牛深町の風本智康さん(48)、綾子さん(49)夫妻が今月、同町に古民家カフェ「アイサンゴ」を開いた。綾子さんは2年前から子ども食堂「藍の風」を近くで運営しており、カフェを子どもたちが気軽に立ち寄れる新たな拠点にしたい考えだ。 綾子さんは2022年5月、「藍の風」を始めた。月4回、子ども食堂を開くほか、日常的に不登校支援や学習サポートをしながら、子どもたちを見守ってきた。 もともと、牛深中学校で生徒の心のケアに当たる「心の教室相談員」をしていた綾子さん。悩みを抱える子どもと接する中で、より深い関わりが必要だと感じていた。「家にも学校にも居場所がない子がいる。本当の意味で、『第3の場所』が必要」と子ども食堂を思い立った。 ある不登校の小学生は朝から「藍の風」に通い、昼食を食べた後、綾子さんの付き添いで登校した。綾子さんは「対話を重ね、どうなりたいか、どうしたいかを一緒に考える。『できることがある』と実感し、前向きになったことで学校に通えるようになった」と振り返る。
カフェは築約50年の住宅を格安で購入し、ほとんどを自分たちでリフォーム。古い欄間や家具などを効果的に配置し、自宅にいるようにリラックスできる空間となっている。 16日にはカフェで初めて子ども食堂を開く。さまざまな世代の人たちが交流する場としても期待され、綾子さんは「ここなら、地域の人との交わりも生まれる。カフェが多くの人の居場所になれば」と願う。(福井一基)