激震!阪神の藤浪晋太郎ら3選手が新型コロナ「陽性」…問題はどこに?そして球界に与える影響は?
球界に衝撃が走った。新型コロナウイルスへの感染の疑いがあった阪神の藤浪晋太郎(25)を含む3選手が26日、PCR検査を受け「陽性」反応が確認された。国内プロスポーツ界の選手から初の感染者が出た緊急事態。球団は、甲子園球場、鳴尾浜らの施設の消毒処置を行う一方で、球団事務所、クラブハウスを閉め、選手、コーチ、スタッフ、球団職員に対して4月1日まで1週間の自宅待機を指示した。 藤浪は「ワインやコーヒーの匂いがしない」との嗅覚異常を感じて、24日に耳鼻咽喉科など2カ所の病院を回ったが、2日続けて嗅覚が戻らなかったため、25日に違う病院を受診した。そこで新型コロナの疑いが出て保健所に連絡が行き、26日にPCR検査を受けることになった。26日の夜に陽性反応が確認された。 球団が藤浪の11日以降の行動を確認したところ、14日に選手と会食をしたことが発覚し、そのうち2選手も同じく嗅覚異常を訴えたため、26日に2選手もPCR検査を受け陽性反応が出た。藤浪は19日からの神宮、横浜の関東遠征には同行せず、2軍で調整していたが、クラスター感染の危険性が出てきたため球団は26日に鳴尾浜で行われる予定だったソフトバンクとの練習試合を中止、緊急対策を取った。 NPBとJリーグが合同で設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」で、東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授(感染制御学)、愛知医科大学の三鴨廣繁教授(臨床感染症学)、東邦大学の舘田一博教授(微生物・感染症学)の3人の専門家がまとめた対策提言書には、新型コロナの感染を予防、早期発見するために、起床直後・就寝前など決まった時間での体温測定、倦怠感、咳、咽頭痛、食欲低下の有無、睡眠時間などのチェック項目が記されていた。37.5度以上の発熱がひとつの目安とされていたが、初期症状に「嗅覚、味覚の異常」があることは、それらのチェック項目に入っていなかった。 藤浪が嗅覚異常を感じた時点で、すぐに新型コロナだと疑わず、阪神の対応が数日、遅れたのも、それが理由だった。 新型コロナの初期症状に「嗅覚、味覚の異常」があるという情報が明らかになったのも、ここ数日ゆえに、仕方がなかったのかもしれないが、NPBも含めて12球団で新型コロナに関する最新情報をすみやかに共有することができていなかったことは問題だろう。そして藤浪がいつどこで誰から感染したのかも明らかにしなければならない。 恐れていた選手の感染者が出たことは、今後、球界に、どのような影響を及ぼすことになるのだろうか。