台湾出身の“英雄”に長蛇の列 アジア最大級のICT展、開幕初日から異様な熱気 「これほどの人出は経験ない」
台湾・台北市で4日開幕したアジア最大級のICT見本市「COMPUTEX(コンピュテックス)TAIPEI 2024」。世界規模で急速に普及する生成AI(人工知能)に焦点を当てた今回、会場は開幕初日から異様な熱気に包まれている。入場ゲートを通過するにも長蛇の列ができ、人気ブースには近づくこともできないほどの人出であふれた。 【関連写真】AMDのスー会長が訪れたスーパーマイクロのブース周辺。スマホを掲げて撮影する人でごった返し、近づくこともできない状態に 「40年以上この業界にいるが、展示会に入れないほどの人出は経験したことがない。来場者数は昨年の5倍は超えている」。サーバー大手、米スーパーマイクロのカントリーマネージャー、ジェームス・シェーさんはうれしい悲鳴を上げた。 なぜここまで注目されるのか。背景にあるのは生成AIへの関心に加え、台湾出身の人気経営者が会場入りしたことだ。 開幕を控えた2日には、米半導体大手エヌビディアの創業者、ジェンスン・フアンCEOが台湾大学で講演。オンラインも含め、1万5000人超が視聴した。4日の開幕日にコンピュテックス会場を見学した際には、生配信で中継も行われたほどだ。 開幕前日の3日に開かれた記者会見では、米半導体大手AMDのリサ・スー会長兼CEOが基調講演に登場。報道関係者だけでも数百人の長い列ができ、立ち見も出る盛況ぶりだった。 スー会長はスーパーマイクロの展示ブースを4日に訪問。チャールズ・リャンCEOと現場で面会した際には、その様子をカメラにおさめようとスマートフォンで撮影するファンで何重にも人だかりができた。 台湾の半導体やサーバー技術は世界のAI市場を支えるまでに成長した。「その立役者となった(台湾出身の)3人の英雄のけん引力が、これだけの人出を生み出した」。誇らしげに語るシェーさんの笑顔が印象的だった。今の日本にこれだけの人を集める経営者は何人いるだろうか。
電波新聞社 報道本部