PE-BANKがフリーランス新法に関する実態調査、「新法を知らない」が7割に
ITエンジニアの新しい働き方を提案するPE-BANKは、全国のITフリーランスエンジニアを対象に「フリーランス新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)に関する実態調査」を実施した。 今回の調査では、約6割のITフリーランスエンジニアが取引先とトラブル経験があるにもかかわらず、フリーランス新法については約7割が「知らない」と回答し、施行内容についてすべて理解している人はわずか2割未満と、フリーランス側の理解浸透が進んでいないことが明らかになった。 まず、「取引先が原因でトラブルが起きた経験があるか」を聞いたところ、「よくある」が11.7%、「たまにある」が47.2%で、約6割がトラブルを経験したことがあった。さらに、「取引先と契約書を取り交わしているか」を聞いたところ、「必ず取り交わしている」が28.1%とわずか3割未満ということが明らかになった。 「取引先が原因でトラブルが起きた経験がある」と回答した人に、「どのようなトラブルを経験したことがあるか」を聞いたところ、「報酬の支払い遅延や不払い」が49.1%で最も多く、次いで「不当な減額交渉」が40.4%、「追加修正の無償対応」が31.6%と続き、金銭的なトラブルが多い傾向が見られた。 「フリーランス新法について知っているか」を聞いたところ、「あまり知らない」が32.8%、「全く知らない」が36.9%と、約7割が十分に周知していないことがわかった。また、「フリーランス新法について知っている」と回答した人に、「フリーランス新法について理解しているか」を聞いたところ、「すべて理解している」が16.5%のみと、フリーランス新法の施行内容についてすべて理解している人はわずか2割未満という結果になり、ITフリーランスエンジニアには、あまり理解浸透していないことが明らかになった。 「フリーランス新法における発注者側の義務に対し何を一番評価するか」を聞いたところ、「報酬支払期日の設定と期日内の支払いの徹底」が63.3%と最も多く、次いで「書面などによる取引条件の明示」が60.6%、その次に「禁止行為の是正」が46.8%となり、金銭トラブルを解決する項目を評価する傾向が見られた。 「フリーランス新法について知っている」と回答した人に、「フリーランス新法施行により、発注者とトラブルなくより円滑な取引ができるようになると思うか」と聞いたところ、「あまりそう思わない」が28.4%、「全く思わない」が6.4%と、3人に1人が新法施行されても、取引が改善されると思わないと回答した。また、「思わない」と回答した人に、「改善されないと思う理由」を聞いたところ、「新法で定められても立場が弱く、不当性を感じても取引先に打診できるか不安」が57.9%と最も多く、次いで「企業側が新法について理解浸透するのかが不安」が47.4%という結果になった。フリーランス新法が施行されても、実際にその利益を得られないと不安に思う人も一定数いることが明らかになった。 「フリーランスに案件を紹介するエージェントサービスに登録されているか」を聞いたところ、「はい」がわずか14.7%と、エージェントサービスを活用されている人はわずか2割未満だった。さらに「エージェントサービスに登録している」と回答した人に、「取引先との間に仲介者がいることでどのようなメリットを感じられるか」と聞いたところ、「業務調整がしやすい」が62.3%と最も多く、次いで「トラブルが起きにくい」が47.2%、「報酬や条件の交渉がしやすい」が43.4%と続き、仲介者の存在により、円滑な取引が行われるメリットがうかがえる結果となった。