インドの富豪アダニ、世界最大の「再エネ施設」に690億円を追加投資
インドのビリオネアのゴータム・アダニが率いるAdani Energy Solutions(アダニ・エナジー・ソリューションズ)は、400億ルピー(約692億円)を投じてインド西部のグジャラート州のカヴダ地域にある同社の再生可能エネルギー発電所から、全長298キロメートルの送電線を建設しようとしている。 この送電線プロジェクトは、Adani Green Energy(アダニ・グリーン・エナジー)が2029年までにカヴダで完成させる予定の、総容量30ギガワットを誇る世界最大の再生可能エネルギーパークから、同じくグジャラート州のブジ市に電力を送るためのものだ。アダニは先月、株式の売却により10億ドル(約1453億円)を調達した後、グリーンエネルギーへの投資を倍増させている。 「この投資は、カヴダの発電所が発電する30ギガワットのグリーン電力を運ぶために必要な送電ネットワークを確立するだけでなく、グリッドの安定性を提供することになる」と、アダニ・エナジー・ソリューションズCEOのカンダープ・パテルは9月2日の声明で述べた。同社は、今後の2年間で送電線の建設を完了する予定という。 広さが538平方キロメートル(パリの約5倍の広さ)にのぼるカヴダの再生可能エネルギーパークは、すでに2ギガワットの電力を発電しており、来年までに出力を6ギガワット増やし、2029年までに最大容量の30ギガワットに達することを目指している。 また、アダニの再生可能エネルギーへの取り組みは、フランスのトタルエナジーズが約4億4400万ドル(約645億円)を投じて太陽光発電の合弁事業を立ち上げることを同意したことでさらに強化された。トタルエナジーズは、アダニ・グリーン・エナジーの19.8%の株式を保有している。 また、2日に開示された別の提出書類によると、トタルエナジーズはこの新たな合弁事業の50%の株式を保有し、1150メガワットの合計容量を持つ運用中および建設中の太陽光発電所のポートフォリオを保有する予定という。 アダニ・グループ会長のゴータム・アダニは、家族と共に680億ドル(約9兆9000億円)の資産を保有しており、フォーブスアジアが昨年10月に発表した「インドの富豪100人」のランキングで、2位にランクインしていた。アダニのビジネス帝国は、空港や鉱業、港湾、セメント事業にも及んでいる。
Yessar Rosendar