西田ひかる 所有するクラシックカーを初披露 長嶋茂雄の元愛車とは
愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第51回。後編では、歌手・俳優の西田ひかるさんが、長年愛するクラシックカーを披露する。 【写真を見る】西田ひかると所有する意外なクラシックカー(15枚)
ファーストオーナーは超有名野球監督だった!
前編では、西田ひかるさんがアメリカで共に暮らし、日本に帰国してからも20年近く愛用しているジープ「チェロキー」を紹介した。後編では、西田さんのクラシックカー趣味についてうかがった。 素晴らしいコンディションの1970年型メルセデス・ベンツ「280SL」を前に、西田さんはこのクルマにまつわるエピソードを披露してくれた。 「夫の父は、国際A級ライセンスを持ってレースに出るくらい運転が上手で、クルマも大好きなんです。結婚したとき、私がクルマ好きだということで、『こんなクルマもあるよ』と、教えてもらったのがこのSLでした。そのときに、最初のオーナーが長嶋茂雄さんだったと聞いて、大の巨人ファンの私は『えーっ!』と、言葉にならないぐらい驚きました」 メルセデス・ベンツ280SLは、伝説のスーパースポーツカーである「300SL」と、その普及版である「190SL」の初代後継モデルとして1963年に発表された第2世代「230SL」の進化版だ。 230SLが搭載していた2.3リッター直列6気筒エンジンの最高出力は150psで、これでは非力ということで1967年に「250SL」が追加され、さらに1968年には280SLが登場する。280SLが搭載する2.8リッター直列6気筒エンジンの最高出力は170ps、当時の資料によると最高速度は200km/hとある。ボディのバリエーションは230SLから不変で、ロードスター、取り外し可能なハードトップを備えるクーペ、幌とハードトップの両方を備えた仕様の3バリエーションで、1971年まで生産された。 1971年というと、当時35歳だった長嶋茂雄さんが読売巨人軍のキャプテンに任命され、このシーズンの首位打者を獲得した年だ。おそらく、自宅から後楽園球場までこのクルマで通ったのではないか。 「1994年にジャイアンツの開幕戦の始球式を務めまして、その年に長嶋監督が日本一になったので、長嶋さんはことあるごとに『ひかるちゃん、ひかるちゃん』と、声をかけてくださるようになったんです。そこからお仕事でご一緒する機会も増えて、いつお目にかかってもお洒落で素敵な方でした。尊敬する長嶋茂雄さんが所有されていたクルマということで、このクルマだけは手放さないでくださいと、心の中で義父に祈ったことを覚えています」 当初は、このクルマに近づくだけで緊張したと西田さんは振り返る。けれども、西田さんとクラシックカーの距離は次第に近づいていった。