ヤフーとLINEの統合で、企業のマーケティングはどのように変わるのか?何ができるようになるのか?
LINEヤフーのもうひとつの特徴が、データを集めるだけでなく、集めたデータを使う出口まで一気通貫でつなげられるという点だ。得られたデータを活用して精緻にターゲティングした広告やメッセージを配信するだけでなく、そのまま「Yahoo!ショッピング」や「LINEで予約」などで購買や予約につなげることもできる。その時の購買データを元にして広告配信すれば、広告の効果がさらに高くなる。
┌────────── いろいろな生活動線でいったんユーザーとつながり続けられるストック機能。さらに、その蓄積されたデータの出口があるのがLINEヤフーの強み。そういった流れがシームレスにできるようにということを目指している(二木氏) └──────────
LINEとヤフー、統合の進捗と課題
一気通貫でデータを活用できるプラットフォームになるためには、ユーザーアカウントの連携と企業アカウントの統合の両方が必要になる。 フェーズ1である「LINEアカウント」と「Yahoo! JAPAN ID」のアカウントの連携については、2,322万(2024年1月末時点)のユーザーから同意を得ていて、「予想より順調に進んでいる」(池端氏)という感覚だ。 フェーズ2のサービス側の統合もすでに始まっている。企業アカウントの共通化、データソリューションの統合、広告プラットフォームの統合完了は3年を目標とし、PayPayとのアカウント連携は2024年度を予定しているとのこと。LINE公式アカウントを開設するだけでLINEヤフーに関連する法人向けサービスの利用を開始でき、一元管理ができるイメージになる。
2025年以降には、フェーズ3としてAIによるマーケティングのフルオートメーション化も構想がある。
┌────────── 今年から段階的に価値提供ができるようになると想定している。各種ツールのログインやUIUX、ソリューションの統合はもちろん、利用してくださる企業だけでなく、その企業の情報を受け取る側のユーザー体験をLINEヤフーのサービスを横断して便利・シームレスにしていくことが重要。さまざまなブランドや商品、お店とユーザーの距離が近くなり、生活がこれまで以上に豊かになる形を目指したい(二木氏) └────────── 今はまだ構想を発表した段階で、池端氏の思いとしては、「発表から3年である程度形になったものを市場に提供し、その次の3年で変化や価値を実感してもらうというスケジュール感」という。部分的には進捗しているものもあり、一緒にソリューションを作っていくパートナーを募集中だという。 ┌────────── 2023年末から先行して、LINEとヤフーの相互マーケティングレポートという形で、Yahoo!広告、LINE広告、LINE公式アカウントの横断レポートを、一部の企業に提供し始めている。それぞれ重複しているのではないかという話もあったが、効果の面では併用メリットが大きいことがわかった(二木氏) └──────────