ヤフーとLINEの統合で、企業のマーケティングはどのように変わるのか?何ができるようになるのか?
┌────────── 私たちは、長い間広告事業に取り組んできた歴史があり、自信と誇りを持っている。広告事業はLINEヤフーの根幹ではあるが、『Connect One』構想には、さまざまな業種・業態の企業に対し、ビジネス全体のデザインやコンサルテーションをしていく組織になりたいという願いと思いを込めている。 LINEヤフーのサービスをすべて並べると、24時間365日、オンライン/オフラインを問わず、あらゆるライフイベントにおける接点がある。そこで得られるデータや、それを活用できる人材もいる。企業の広告やマーケティングを支援するだけでなく、ここから10年、20年に及ぶ変革期を支える、ビジネス全体をサポートする、そういう役回りを担える可能性があると思っている(池端氏) └──────────
サードパーティCookieに依存せず、LTVを上げる
ユーザーのプライバシー保護を重要視する流れの一環として、サードパーティCookieを廃止する動きが進んでいる。サードパーティCookieが使えなくなるということは、新規顧客や見込み客の獲得が難しくなるということ。つまり、広告をどんどん打って新規顧客をたくさん連れてくるという考え方は通用せず、これまでに接点を持った顧客のLTVを最大化するという考え方にシフトしなければならない。「Connect One」構想は、そのための仕組みとも言える。 これが外部要因だとすると、LINEとヤフーが統合したことによる、社内的な背景もある。 まず、ヤフーは検索やメディアが強く、そこに表示される広告ソリューションがある。LINEはLINE公式アカウントを使ったCRMが強い。もうひとつ重要なのがPayPayで、LINEヤフーとしてはオフラインの購入データも保有している。 たとえば、あるブランドの商品を「Yahoo!検索で見た」「LINE上で話題になっているのを見た」「店舗で買ったことがある」など、多様なタッチポイントで接触したデータをいったんストックできるのが、1つ目のキーポイントだ。これらのデータをユーザーアカウントに紐づけてストックすることで、Cookieを利用せずに、IDベースでのファーストパーティのユーザーデータをそれぞれの企業が保有することができる。 ┌────────── LTVを高めるために、獲得したユーザーのエンゲージメントを高めることが非常に大事になる。LINE公式アカウントの友だち追加やフォローといったアクションによって出会ったユーザーをストックできることが、非常に価値のあるポイントだと思っている(二木氏) └──────────