ヤフーとLINEの統合で、企業のマーケティングはどのように変わるのか?何ができるようになるのか?
LINEだけでも、図の左側のようなデータをストックできていた。これだけでも詳細なデータだが、ユーザー理解が難しくなっていくことを考えると、十分ではなくなってくる。そこで、企業ではこれを自社で持っているメールアドレスや電話番号などのファーストパーティデータとつなぐという取り組みを進めている。 業種によってはそもそもファーストパーティデータを集積しにくい企業もある。たとえば、消費財や食品のメーカーなどはオンライン・オフラインを横断しての施策が実施しにくい。また、飲食店など一部業界ではデジタルの活用の余地が大きく残っている。 そういう企業でも、LINE公式アカウントを利用する企業は増えている。LINEヤフーのサービスの多くはログインして利用するのが基本なので、ブランド情報をYahoo! JAPANで検索した、LINE VOOMの投稿で見た、PayPayを使って店舗で購入したというデータがユーザー個人に紐づけ可能になる。これは、「サードパーティCookieなどで追跡した個人データよりも、圧倒的に濃いデータ。Cookieの代わりになるというより上位互換」(二木氏)だ。 さらに、LINEヤフー全体で24時間365日の接点があることで、最適なタイミングでメッセージや広告でアプローチすることができる。 ┌────────── ユーザーとブランドとの関係性には波があり、ふとした瞬間に購入意向が高まりSNSからそのまま購入する機会も仕組みも増えてきている。一度接点のあったユーザーとLINE公式アカウントなどで何らかの形でつながっておいて、ユーザーの行動を見ながら高まってきたタイミングでメッセージやレコメンドなどで最適なコミュニケーションをとることが大切になる(二木氏) └──────────
企業がやりたかったことが、きっとできる
LINE公式アカウントにさまざまな法人向けサービスを統合するにおいては、もちろん個人情報保護やプライバシー保護の観点を忘れてはいけない。これについて池端氏に確認すると、「国内に1億人以上のユーザーを抱えているというのは、ほぼ日本全体という意識。責任と覚悟を持って取り組んでいる」とのこと。LINEヤフーとしてのプライバシーポリシーを公開し、問い合わせも受け付けている。 また、ひとつの企業グループなので、いろいろなデータを安全に精度高く突合できるという点もポイントだ。 ┌────────── 今回さまざまなデータを統合するが、安全に突合できるというのを一番大事にしている。そもそも、プライバシー保護のトレンドを背景として安全にファーストパーティデータを使える環境を提供するためにConnect Oneが構想されたという側面もある(二木氏) └────────── また、広告領域においては、広告審査という観点も重要だ。価値観の多様化によって、広告クリエイティブやメッセージがどのように受け取られるかが変化していくことに配慮する必要がある。 ┌────────── LINEヤフーグループはリーディングカンパニーであるがゆえに、そこに関しても先行的にアクションをしなければならない。価値観の変化に後から気づくのではなく、変わっていく過程において審査基準を見直し、万全を期してユーザー保護や出稿していただくクライアント保護を考えたガイドラインをアウトプットするようにしている(池端氏) └────────── 最後に、「Connect One」構想の環境をどのような課題を抱えている企業に積極的に使ってほしいかを聞いた。 ┌────────── 見込み客の獲得やターゲティングに困っているマーケター、あるいはサードパーティCookieが使えなくなることで、マーケティングの方法を見直さないといけないというときの第一の選択肢になるようなソリューションにしていきたい。認知からCRMまで完結しているという強みに期待していただきたいし、使ってもらえたらいいなと思っている(二木氏) └────────── ┌────────── 我々は、クライアント企業の事業成長を支援したいと思っている。一緒に成功事例を作りたいと考えているので、興味が湧いたらぜひお声がけください。私が、こういうことができればいいのにできないなと思っていたことの、ほとんどができるようになった。やりたかったけれど何かの理由で頓挫していることがあるなら、それはきっと解決できる(池端氏) └──────────