美しい背中を強化しボディコンテスト世界大会入賞 2歳と4歳の子どもも応援
2024年12月16日~19日、有明コロシアムで行われたIFBB世界フィットネス選手権では多くの日本人選手が活躍した。加來紗織(かく・さおり/36)選手はビキニマスターズ35~39歳164cm以下級で4位、ビキニ163cm以下級では11位という成績を収めた。 【写真】加來紗織選手の締まった広背筋下部
「自分らしく、自分のペースで楽しくやり切ることを目標にしていました。もちろん身体は納得いく身体に仕上げたので、ちょっと絞りすぎちゃったかもしれないですが、ベストなコンディションで、かつ自分のベストパフォーマンスをして、その上で結果がついてくれば良いなと思っていました」 加來さんは背中、特に広背筋下部を強化した、という。 「ご指導いただいている加藤直之さんに9月に開催されたオールジャパンのときのパッケージを見ていただきアドバイス頂きました。この間での筋肥大は難しいので、しっかり対象の筋肉を動かせるように意識しました」 加藤直之さんはボディビルダー。世界選手権と同時開催されていた男子ワールドカップに出場し、ボディビル70kg以下級で金メダル、ボディビルマスターズ40~49歳で銀メダルを獲得している。 ビキニの着こなしもこだわり、改良したそうだ。 「もう少し楽にポージングができるビキニのサイズにして、かつ私は胴体が長いので、ボトムの前の面積を少し増やしたり、ビキニのストーンを明るいのに変えては光に当ててチェックしたりを繰り返して完成させました。全部自分で修正したのですごく時間がかかりましたが、これもまた良い勉強になりました」 大会中は、国際大会で入賞経験がある小倉あれず選手と同部屋で「いろんなことを教えていただき、支えていただき、すごく感謝している」、という。加來さんは、しっかり準備をして臨んだ世界選手権で、掲げた目標を達成することができた。 「すごく楽しかったです。思ったよりも落ち着いてできたと思いますし、目標通り自分らしく楽しめました。審査員の方も微笑んで見てくださっている方が多くて、それがうれしくて、温かい気持ちでステージングができたと思います」 目標は達成したが、海外選手を間近で見て気づいたことがあった。 「どちらかと言うと私は筋量がある方なのかな、と思っていたのですが大きな勘違いでした。もっと筋量をつけないといけないと痛感しました。出直したいと思います」 加來さんには2歳と4歳の子どもがいる。 「ステージにいるときに『さおり~』という子どもの応援の声が聞こえたんです。あんなに小さいのに自分なりに理解して、必死に見て応援してくれているんだ、と思ったらグッとくるものがありました」 「今後は、さらに筋量を増やして、かつ柔軟性も強化していきたい」という加來さん。 「もちろんステージングや雰囲気など課題はたくさんありますが、一つずつ時間をかけて良くしていきたいと思っています」
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材:あまのともこ 撮影:中原義史