練馬・白石農園で成蹊大学生が農業体験 都市農業テーマに調査
成蹊大学(武蔵野市)経済学部の学生が11月30日、都市農業・農地をテーマとする社会調査として白石農園(練馬区大泉町1)で農業体験を行った。(練馬経済新聞) 【写真】白石秀徳さんにインタビューする学生 同学部では4月から、プロジェクト型授業として現地での体験やインタビュー調査など社会調査の実践と都市農業の在り方を考える授業を実施している。これまでに中島正博教授のゼミ生11人が座学で都市農業の位置付けや役割を学び、武蔵野市役所で都市農業を担当する職員へのヒアリングも行っている。 この日は農業体験や同農園の白石秀徳さんへのインタビューで都市農業の現状や課題を探った。農業体験では、アスパラガス畑の雑草取りや甘唐辛子の収穫を体験した。収穫の大変さを知ったという滝沢愛生さん(2年生)は「自分の収穫量に比べ、短い時間で倍以上の量を収穫する白石さんの仕事ぶりにプロを実感した。かがんで作業するなど身体的に大変な作業の上、時給換算で最低賃金に満たないことを知り、農家の苦労を体感できた」と振り返る。インタビューを終えた鶴園加倫さん(同)は「やはり後継者の問題が大きいと感じた。農業は世襲制が多く、農業を継ぐことはとても大きな決断であり、つないでいく若者たちにとって負担が大きい」と話す。 白石さんは「都市農業は相続の課題が避けられない。都市農業の意義を多くの人に理解してもらい、ファンを増やすことが重要」と話す。学生には「旬の野菜は作りやすく、エコで無駄が少ないことから安価になる。旬の時期に安くて良質な野菜を積極的に選び、食べる習慣を付けてほしい」とアドバイスした。 今回は、社会調査を通じて社会課題を解決するための技法を習熟することが狙いという中島教授は「話を聞く中で相続や後継者問題、都市農業と周辺住民との関係性など、学生たちが今後の学習課題を見つけることができ目的の第一歩は達成できた」と話す。 11人は都市農業と農地の役割や課題の具体的な解決策についての最終発表会を開く予定。青木海人さん(3年生)は「今回の体験で貴重な話を聞けた。都市農業の未来像のほかイベントや都市農業の重要な役割を多くの人に知ってもらうために具体的な解決策を見いだしたい」と意気込む。
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