ロシア、中距離弾道ミサイル発射 紛争の「世界的性質」を警告
【AFP=時事】ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は21日、国民向けに演説を行い、新型の極超音速中距離弾道ミサイル「オレシニク」の「戦闘条件下での試験発射」が前日に行われたと発表した。また、このミサイルは核弾頭の搭載が可能であることを示唆した。 【写真4枚】ウクライナ東部ドニプロ市上空で見られた閃光 これに先立ち、ウクライナはロシアが史上初めて大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したと非難していたが、後に米国によって修正された。ウクライナ空軍は東部ドニプロでインフラ施設が被害を受け、民間人2人が負傷したとしている。 プーチン氏は演説で、ウクライナ紛争は「グローバルな」戦争の様相を呈したと述べ、西側諸国を攻撃する可能性を否定しなかった。また、ウクライナに供与した兵器でのロシア領内への攻撃について容認した西側諸国を非難し、報復を警告した。 ウクライナはここ数日で、米国および英国から供与されたミサイルを初めてロシア領内に向けて発射。約3年に及ぶ紛争ですでに極限に達している緊張をさらにエスカレートさせた。 プーチン氏は「わが国の施設へ向けてこれら兵器の使用を許可する国々に対し、われわれは彼らの軍事施設を攻撃する権利を有すると考える」と主張。 また、ウクライナが発射した米国製の長距離地対地ミサイル「ATACMS (エイタクムス)」と英国製の空中発射型巡航ミサイル「ストームシャドー」はどちらもロシアの防空システムによって撃墜されたと述べ、「敵が設定したと思われる目標は達成されなかった」と付け加えた。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアの中距離弾道ミサイル発射について「狂った隣国」が戦争の「規模と残虐性」をエスカレートさせていると非難。米国もロシアが「ことごとく」紛争を深刻化させていると批判した。 中距離ミサイルは最大5500キロの飛距離を持つ。これは、ロシアが警告する西側への攻撃について十分実行可能であるということ示すものだ。 ロシア国営メディアによると、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、ミサイル発射の30分前に自動ホットラインを通じて米政府に通知したと述べた。【翻訳編集】 AFPBB News