「そろそろ休みましょう」…悩みや体調を可視化するスマホアプリ、発達障害の大学生が開発
平成28年の厚生労働省の調査によると、国内で発達障害との診断を受けた人は推計48万人超。診断を受けていない人も少なくないとみられ、令和4年の文部科学省調査では、公立小中学校の通常学級に、発達障害の可能性がある児童生徒が、8・8%在籍していると推定された。
発達障害に詳しい国立障害者リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)の和田真氏は「発達障害では聴覚や触覚が過敏な場合があり、大きな音やまぶしい光、周囲のざわつきにストレスを感じる人も多い」と説明。普段の生活でも疲れを感じやすいという。
一方、身体の不調にすぐに気付きにくいという特徴もある。突然パニックに陥ったり、動けなくなるほどに疲れ切ってしまったりする人も珍しくない。
こうした特性へのセルフケアとして、外部からの音を遮断するヘッドホンやイヤーマフラーをつけることなどが有効とされる。
発達障害への理解は社会的にも広まりつつあり、人混みや騒音など日常と違う雰囲気が原因で感情が高ぶるなどのパニックになった際に利用してもらう「ブース」を設ける動きも。ブースは「カームダウン・クールダウンスペース」などと呼ばれ、公共施設での設置が進んでいる。(堀口明里)