一人でもやりたいことをやる!でも、それを一緒に楽しめるパートナーがいたら…【60代「NYでパートナー探し」の道⑩】
セックスレスが原因で夫と協議離婚することになり、マッチングアプリでパートナー探しに励んでいたNY在住のファッションジャーナリスト杉本佳子さん。4年半の時間をかけて、とうとう今のパートナーとめぐり合った。その粘り強い努力のみなもとは「旅行したい」という気持ちだった。NYを舞台に大人世代の恋愛、婚活をレポートする連載、60代「NYでパートナー探し」の道・第10回は、パートナー探しのための大切なポイントについて。それは「一人でもやりたいことをやる!」という思いだと、杉本さんは語る。
ーーー 私が本格的にパートナーを探し始めたのは、旅行したいという気持ちからでした。 私はもともと海外旅行が大好きで、20代の時からバリ島、フィリピンのエルニド、香港、中国の広州と桂林、インドのボンベイ(当時)経由でケニア、アメリカのいくつかの都市、スペインのバルセロナとマヨルカ島、パリとロンドン、プエルトリコなどに行きました。結婚して子供ができると、旅行は子供を楽しませるための旅となりましたが、それでも子供にもいろいろな世界を見せたくて、可能な限り旅行に連れていきました。 その後、経済的に苦しくなって旅行の旅の字も考えられない、日本語放送で「あいのり」や「こんなところに日本人」を見て旅行に行った気になって満足する、という時期が何年も続きました。 やっと経済的に少し余裕ができて「やっぱり旅行に行きたい!」と思ったのは61歳のとき。年齢的にも、のんびりしていたら海外旅行するだけの体力がなくなってしまう、そうならないうちにやっぱりいろいろな国に行ってみたい!と思い始めました。 ただ、一人で旅行に行くのは嫌でした。カップルで旅行に行きたい、そうすれば女一人では行きにくいところも行けるし何かと心強く楽しいだろうと思いました。 なので、パートナーは海外旅行を一緒にできることが、私にとって絶対条件でした。でも海外旅行をできるとなると、それなりの金銭的時間的余裕が必要です。海外への興味もないといけないし、旅行の目的も私と合致してなかったら意味がありません。 「フロリダにセカンドハウスもってて、2ヶ月に1回フロリダとニューヨーク行ったり来たりしてるんだよね~」と誇らしげに言う男性がいました。「素敵~」と思う女性もいるのでしょうが、私は内心、「え~2ヶ月に1回フロリダに行かないといけないなんてヤダ」。「海外旅行はしますか?」と聞いたら、「あんまり」という返事で立ち消えに。別の男性は「旅行はするけど、基本スキューバダイビング」と言うので、スキューバをやらない私はこれもNG。 65歳の誕生日が近づいてきた頃、「相手が見つかったら旅行なんて言ってたら、へたしたら相手が見つからないまま、旅行もしないまま歳をとって、旅行する体力も気力もなくなってしまう」と思いました。それは絶対避けたいことでした。