1つ390円、3つで990円…全国21カ所ある「ユニクロの花束」が、靴下とまったく同じ売り方をしている理由
■「やるにはどうしたらいいか」を考える 花を扱うにあたり、花の管理をするバックルームにも工夫した。花のために温度管理するのはもちろん、スタッフの作業しやすさを考えて排水用シンクの高さも調整した。いまも時々設計チームのメンバーが自ら店頭に立って花の販売をしながら、什器や陳列方法、動線や設備を修正している。 柳井社長から「花を売ろう」と言われたとき、社内の誰もが「まさか」と思ったに違いない。しかし「できるかどうか」ではなく、「やるにはどうしたらいいか」を考えて、一気に全員が動き出すのがユニクロの社風なのだろう。 花を売るというプランはすぐさま取締役会を通過し、定款も書き換えた。こうして生まれたユニクロの店舗の一角にある花売り場は、いまでは街の風景の一部となっている。 ---------- 北沢 みさ(きたざわ・みさ) MK Commerce&Communication代表 東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業。メーカー、テレビ局などを経て1999年ファーストリテイリングに入社。ユニクロの初代PRマネージャーとしてブランディングとPRを担当。2018年に独立後は、マーケティングおよびECのコンサルタントとして、小売・アパレル業界を中心に複数企業を支援中。 ----------
MK Commerce&Communication代表 北沢 みさ