〈大荒れ兵庫県政〉斎藤知事は百条委に“クロ認定”されれば法廷闘争か? 一方、死亡した局長らへの誹謗中傷やデマ拡散は止めず。そして新たな“疑惑”も…
斎藤知事はA氏への誹謗中傷を放置
斎藤氏はこれまで自身の言動に非を認めない姿勢を続けている。12月26日の会見でも、告発者探しと処分は「対応については適切であったという風には考えています」と答えた。 しかし、この主張は問題だとの捉え方が広がっている。公益通報者保護法を所管する消費者庁の有識者検討会は、通報者を処分するなどの報復をした企業などに刑事罰を科す法改正を求めた報告書をまとめた。 「この動きを扱った読売新聞の社説は斎藤氏を名指ししてAさんへの処分を問題視するなど、斎藤氏の言動が法改正の動きに強く影響したとみられます」(全国紙記者) 会見では、斎藤氏の言動がこの法改正にどう影響したと思うかとの質問も出た。これに斎藤氏は「社会情勢の変化などの中で、公益通報のあり方というものは、やっぱり改正すべきところをしっかり議論していただいて改正するということになったと思います」と返答。 さらに、「我々としては、兵庫県がこれまでの対応については適切にやっていきたいという風に思ってます」と持論を繰り返した。 一方、記者会見が異例だったのは、斎藤氏に対し、告発者のAさんの尊厳を守るための行動を知事として今すぐとるよう求める声が続出したことだ。 Aさんは外部への告発を行なった直後の3月25日、通報者探しを斎藤氏から命じられた片山安孝副知事(7月に辞任)に県の公用パソコンを押収された。 このパソコンにあった私的な情報を印刷したものを、片山氏の部下で総務部長だった井ノ本知明氏が県議会関係者らに見せて回ったことがわかっている。 さらに、百条委所属の維新の増山誠県議らがこの個人情報をすべて百条委で開示するよう求め、Aさんはそうしたさなかの7月に急死した。自死とみられ、知人によるとAさんは情報が出回ることに苦しんでいたという。 さらに、11月の知事選に「斎藤氏を応援する」と言って出馬したNHK党の立花孝志党首は、この私的情報の「中身」だという話を街頭演説で公言しSNSで拡散。「疑惑はでっち上げで、斎藤知事は陥れられた」という言説もついて、SNSでは今もこうした話が広がっている。 この状況に会見では、「警察への告発やSNS事業者への削除依頼をなぜしないのか」「誹謗中傷をやめろと知事として呼びかけないのか」との声が次々とあがった。 だが斎藤氏は「弁護士からなる第三者機関で調査をしていただくということがいい」と言い続けた。 第三者委は年明け早々にも設けたいと表明しながら、並行して可能な刑事告発などの措置を取るとは言わない。 その理由を問う質問には、「今回指摘されている県保有情報についてですね、その内容の同一性であったり、あとは公益通報にあたるという指摘も一部されてますし、そういったあたりをしっかりと慎重に確認をしていくということが大事だという風に考えてます」と答えるだけだった。